視る・想うRSS

[データベースホーム]

素直じゃない

ドバトの求愛行動
↑click to play

「ドバトの求愛行動」(データ番号: momo060608un01b)は、サンドイッチを食べようと座った公園のベンチの前から、人影まばらな神社の境内まで、いたるところで見られるありきたりな光景である。そんなドバトについて、学生時代、酵母の研究をしている友人に「あれはハトのメスがオスの気をわざわざ引いているんだ」と言われたことがあった。

彼が言うには、ハトのメスは、オスに求愛されると、一見離れていくように見えるが、実は離れすぎないようにして、オスの求愛がどれほど熱心か試しているとのことだ。当時の僕は、メスは一方的にオスから求愛されるもの、と思いこんでいたので、笑い話にしか聞こえなかった。

しかし実際にドバトを見てみると、たしかにメスの離れ方は微妙で、ちょっと離れてはオスが追っかけてくるのを待っているようだ。さらには、まるでメスはオスが追いかけてくるのを横目で確認しているようにすら見えてくる。そんなメスは、さらに別のオスにまで求愛に加わられ、2匹も3匹もオスを引き連れたメスも出てきたりする。

求愛行動の研究が盛んなグッピーを観察していても、メスはいつもオスに求愛をされて、むしろ迷惑そうに見える(残念ながら映像は無い)。しかしその二匹を透明の板で分断してしまうと、メスもオスもお互いに近づこうとして板に頭を押しつけるのだ。そこで板を取り除いてやると、なかよく寄り添うようになってメデタシ・・・となるのではなく、やはりメスはオスに追われる一方になるのである。

たしかにメスにとっても、より良いオスとつがうために、時間をかけてオスを観察したり、多くのオスを競わせたりすることは、悪いことではないはずである。それでもオスにつれなくするのはメスの矜持であり、オスはそのことを分かっていても、あえて熱心に求愛をしなければならない、なんてワケでも無いか・・・。
繁宮悠介(長崎総合科学大学)
2006-07-21

バックナンバー

2009-11-20
たまるたまる、動物の行動映像
原村隆司(京都大学 動物行動学研究室)
2009-11-14
草ぼうぼうの国
井上真(MOMO 運営ボランティア)
2009-11-06
はみだし行動学
森貴久(帝京科学大学)
2009-10-30
走馬灯
中田兼介(東京経済大)
2009-10-23
「Pirouette ピルエット」三たび (あるいは映像が呼び出す身体感覚)
藪田慎司(帝京科学大学アニマルサイエンス学科)
2009-10-16
またカエルこともあるかな
広瀬祐司(大阪府立茨木高等学校)
2009-10-09
真っ黒仮面はなぜ怖いのか
佐藤路子(大阪市立自然史博外来研究員)
2009-10-02
サイゴノ サイコウノ イイワケ イイワネ
石田 惣(大阪市立自然史博物館)
2009-09-25
隣は何をする人ぞ?
繁宮悠介(長崎総合科学大学)
2009-09-18
干潟にハマる
西 浩孝(豊橋市自然史博物館)
2009-09-11
リーダー
原村隆司(京都大学大学院 動物行動学研究室)
2009-09-04
省エネ型 vs. エネルギー多消費型
井上真(MOMO 運営ボランティア)
2009-08-28
IEC in Rennes
森貴久(帝京科学大学)
2009-08-21
永久機関幻想
中田兼介(東京経済大)
2009-08-14
水面の上と下
藪田慎司(帝京科学大学)
2009-05-01〜2009-08-07