その時、私は札幌行きの特急に乗っていました。4月だというのにうっすらと曇って寒そうな空と、まるぼうずの木々たち。窓の外は地面と木の茶色、空の灰色だけが広がっています。生き物の気配がほとんど感じられない景色でした。
隣の人がふと、窓の外をちらっと見てつぶやきました。
「春だなぁ、、、」
自然と口をついて出てきたかのような言葉でした。
「えっ、まだ冬みたいなのに!」と思わず窓の外を見直した私に、その人は
「あぁ、北海道に住んでると、『雪がない』だけで春が来たな、って思うんだ、、、」
落ち着いた声だったけれど、うれしさをかみしめている様でした。
それから数年北海道に住んで、私も雪のなくなった景色に春を感じたものでしたが、関西に住んでいる今は、ほころんだ花のつぼみに心躍ります。
もちろん職業柄、潮の満ち干や磯の生き物の種類などで、もうそんな季節になったのかと気付かされることもよくあるんですけどね。
春を感じさせる花の代表と言えば、梅・桃・桜といったところでしょうか。
花にあつまる鳥や昆虫たちを見るのもまた楽しいものですよ。
「ウメの花に来たニホンミツバチ」(データ番号: momo060326ac01b)
「桜の花を・・・」(データ番号: momo051206un03b)
「ヒヨドリの採蜜とスズメの盗蜜」(データ番号: momo060406un01b)
おいしいお弁当やお酒もいいですが、お花見ついでに生き物観察もいかがですか?
佐藤路子(大阪市自然史博外来研究員)
2006-04-07