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王者の品格

カブトムシによる樹皮の削り取り行動
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 まだ暗い森の中、耳を澄ますとペチ、、、ペチ、、、という音がどこからともなく聞こえてくる。音のする方にそっと近付いて顔を上げると、そこには照り輝く大きな背中が。カブトムシだ!
 、、、なんて情景を想像して、毎日何か発見があった子供の頃の夏休みを思い出し、ドキドキしてしまった。「カブトムシによる樹皮の削り取り行動」(データ番号: momo050525td01a)

 カブトムシと言えば、樹液の滲み出している餌場に堂々と登場して、他の昆虫を尻目に餌をとる風景が真っ先に目に浮かぶ。その振る舞いと出で立ちが”森の王者”と呼ばれる所以なのだけれど、映像の説明文を読んで、ちょっと待てよ、とその”王者”のイメージに疑問を抱いた。
  すでに他の虫が傷つけて樹液が出るようになったところへカブトムシはやって来る、それが普通だそうな。そうか、そうだったのか。樹液は何かの拍子に勝手にしみ出すのか、昆虫に傷つけられて出るようになるのか、なんて考えたこともなかった。

他の生き物が開拓してちょびちょびと餌をとっているところへ力づくで入り込む。これじゃ、ヤ○ザと変わらん。なんというか「ちょっとアンタ、恥ずかしくないのか?」と注意したくなってしまう。王者と呼ばれるからには、最初に自分が餌場を作って、「怪力の俺様が体を張って餌場を作る。腹がいっぱいになったら、あとは他の奴にくれてやる」ぐらいの太っ腹なところを見せてもらいたい。

あと欲を言えば、餌のとり方がチマチマしてもどかしく、王者には不似合いな気がするので、もっと豪快に食べてもらいたい。口を観察するとまだインクの滲み出していない新品マーカーのペン先みたいな器官を樹液にひたして吸い上げている。ガーッといかんか、ガーッと。

 生き物相手に非常に勝手な意見だけど「この生き物はこうあって欲しい」、例えばオシドリはおしどり夫婦であって欲しい(実際は違う)とか、みなさんそういう願望ってないっスかね?
  ま、でも、この映像でやりゃぁできるやん!ってことがわかった訳だけれども。これで王者としての品格は保たれたかもしれない(勝手に納得)。

 しかし、この私の文章も、ついつい熱が入り、終わりに近付くにつれ品がなくなっているな、、、。スタッフとしての品格はいずこへ。

これまた失礼いたしました。
佐藤路子(大阪市自然史博外来研究員)
2006-07-28

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