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歴史的存在

まぬけなオカダトカゲ
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前肢しかない地中性トカゲの動き(マダガスカル産ヤマギシニンギョトカゲ)
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コラムを書こうとMOMOをみたら,「「まぬけなオカダトカゲ」(データ番号: momo081114pl02b)」が最新の登録映像だった。ほう,オカダトカゲとな。撮影地は伊豆諸島かとおもったら,やっぱり御蔵島だった。

オカダトカゲというのは分類上はちょと面白いトカゲで,伊豆諸島に分布しているが,伊豆半島にも分布している。この伊豆半島に分布している個体群は,日本の他の地域に分布しているニホントカゲと見分けがつかないのだが,生化学的にはオカダトカゲなのだ。まあそれはいいのだが,じつは,ニホントカゲの模式標本は伊豆半島産(下田)のものなので,つまりオカダトカゲだったのだ。となると,オカダトカゲにつけられていた種小名okadaeはシノニムで無効になって,ニホントカゲにつけられていた種小名latiscutatusがオカダトカゲの種小名になることになり,それを受けてニホントカゲの種小名はjaponicusということになった。

なんで伊豆諸島にいるのが伊豆半島にいるのかというと,伊豆半島は昔は伊豆諸島最北の島で,それが日本列島にぶつかって半島になったからというから,まあインドみたいなものだな。オカダトカゲの存在は,伊豆半島は島がぶつかってできたことの証拠のひとつになるらしい。100万年くらい前のことらしいが,地質学的には最近のことになる。生物地理の話はそういう地質学的な年代スケールの話があって,面白い。

で,なんでニホントカゲの模式標本は下田産なのかといえば,もしかしたら,ペリーが来て下田を開港したときに来たアメリカ人あたりが取って行ったからじゃないのかな。もし横浜で取ってたらちゃんとニホントカゲだったはずなのだが,下田でとったためにオカダトカゲを取ってきちゃった,てことがあったんじゃないかと想像するが,違うかな。これは150年くらい前のことになる。オカダトカゲには長期的にも短期的にも歴史が関係しているが,島の生物学という観点からみたらとても興味深いトカゲなので,今後生態学的にいろいろ面白い知見が期待できるだろう。

MOMOには何故かトカゲの映像が少ない。ニホントカゲもカナヘビも登録されていない。でも「「前肢しかない地中性トカゲの動き(マダガスカル産ヤマギシニンギョトカゲ)」(データ番号: momo031022sy01b)」なんてのがあったりする。いまからは寒くなるから姿を見なくなるけれど,トカゲも見かけたら撮影して是非登録して下さい。
森貴久(帝京科学大学)
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