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コメント機能がモッタイナイ

イボイワオウギガニによる巻貝捕食〜失敗〜
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イボイワオウギガニによる巻貝捕食〜成功〜
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イワガニによる巻貝捕食
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イボイワオウギガニによる巻貝捕食〜失敗〜
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このデータベースの映像には簡単な解説文が付いています。これは長い話をはしょって書いてある場合が多いです。とくに研究に関わる映像は、その研究が行われた背景や、その研究の成果など、登録者は話したくてウズウズしているのですが、そうするとやたらと長い解説文になってしまうので泣く泣く(そして、むりやり)省略して書くことが多いのです。一方視聴者にとっても、面白そうな行動があったり、奇妙な実験風景が映っていても、その行動の重要性や、実験の背景が分からなくてウズウズすることがあるのではないでしょうか。

 そんな「ウズウズ感」を解消してくれるのが、「コメント機能」です。コメント機能は、映像登録の際に登録者が選択して追加することができ、解説文の下にコメント欄を表示させる機能です。コメントが寄せられると登録者にはメールで知らされます。期待通りの質問が来れば、登録者は感涙にむせびながら解説し、思いもよらないコメントには視野を広げさせられることでしょう。コメントを寄せた人は、「この行動にはこんな意味があったんだ」とか「こんな事は調べられているのに、あんなことは分かっていないんだ」ということを知ることができます。

 しかし残念ながら、コメント機能の認知度はいまいち低く、質問もちらほら寄せられる程度。潜在能力があるのにそれが発揮されていないと、なぜか落ち着かない性格の僕にとって、これは放ってはおけない事態です。まさに、モッタイナイ!

 そこで今回は、僕が登録した映像に個人的に寄せられた質問に対して回答することで、少しでもコメント機能の存在意義を知ってもらいたいと思います。僕はこれまでにカニの映像を3本登録しています。「イボイワオウギガニによる巻貝捕食〜失敗〜」(データ番号: momo030727es02b)「イボイワオウギガニによる巻貝捕食〜成功〜」(データ番号: momo030727es01a)cと「イワガニによる巻貝捕食」(データ番号: momo030727pc01b)です。これらは全部「左右性」というハサミの大きさが違う現象に注目した実験の風景です。

Q:イボイワオウギガニでは左のハサミが大きな個体と右のハサミが大きな個体の比率はどのくらいでしょうか?
A:ほぼ7:3で、右利きが多いです。僕が調べた和歌山県の白浜でも7:3(調査個体数39)、アフリカのソマリアでも7:3(同586)です。

Q:成功例で貝のどの部分を割ろうとして成功したのでしょうか?
A:この映像では、貝殻の縫合線近くを割っています。縫合線とは、新しい殻を古い部分にひっつける時にできる継ぎ目のことですが、もしかしたらちょっともろい部分なのかもしれません。

Q: 「イボイワオウギガニによる巻貝捕食〜失敗〜」(データ番号: momo030727es02b)で、途中でカニがぐーっと足を踏ん張っているところが映っていますが、やっぱりカニでも力を入れるときには足場が大事なんですか?
A:やっぱり大事だと思います。水中に浮かんだ状態でも貝を割るカニがいることは、僕は聞いたことがありません。あらためて映像を見ると、クモのように足を広げたりもしていますね。でもおっしゃっている「ぐーっと」している場面については、踏ん張っているというよりも、ハサミに力を入れたら足にまで力が入ってしまった、というように僕には感じられます。そんななので、きっと足場が不安定だと、力んだ瞬間に足を踏み外すなんてことが起こるかもしれません。

Q:大きな方のハサミが挟む力が強そうに思えますが、実際にそうなんでしょうか?
A:イボイワオウギガニではありませんが、カニのハサミに大がかりな器具を取り付けて、挟まれた物質に流れる電流を測定して挟む力を調べる研究が盛んに行われています。それによると、やはり大きなハサミは強いようです。

Q:大きなハサミが左か右かと、カニの他の行動の左右差に何か関係があるのでしょうか?
A:あったら面白いですよね。たとえば右利きのカニは物怖じしないとか、左利きのカニは慎重派だとか。今のところそのような報告はありません。僕がイボイワオウギガニを観察していて感じたことは・・・、これはちょっと秘密にさせてもらって良いですか?

Q:そもそも左右でハサミの大きさが違うカニがいるのはなぜでしょう?
A:いろいろなカニを調べてみると、肉食性のカニでは左右性があり(大きさが違い)、雑食性のカニでは左右性が無いという傾向があります。ですから、肉、特に貝を食べるカニで、強い大きなハサミと小さくて器用なハサミが進化したのではないかと思われます。イワガニは雑食性です。また雑食性のシオマネキでもハサミの大きさは違いますが、それはオスにだけ現れることから、シオマネキの大きなハサミはメスの獲得のために進化したと考えられています。

 と、こんな感じです。ヒトと同じように、カニにも利き手があるって微妙に面白くないですか?そして、カニ以外でも利き手のある生物は結構いるのに、今まであまり研究されていないんです。あれ、いつのまにか自分の研究の宣伝になってしまいましたが、コメント機能の方もぜひよろしくお願いします!
繁宮悠介(長崎総合科学大学)
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