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思い出したこと

ツマグロヒョウモン幼虫の食事
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飼いウサギの交尾行動
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二本足で立って周囲を警戒するイタチ
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「ツマグロヒョウモン幼虫の食事」(データ番号: momo051010ah01b)。なんとなく好きな映像だ。何気ない日常の断片の気配がする。これを見て、いくつか昔のことを思い出した。

昔といってもまだ10年にはならない。京都で古い町家を借りて住んでいた。魅力的な家だったが、とにかく古いので家賃は驚くほど安かった。この家の玄関脇に、隣のお家の塀が連なっていて、春になるとその塀にそってツマグロヒョウモンの幼虫がたくさん姿を現した。

塀には瓦の「屋根」がついていて、その瓦の裏に蛹がたくさんぶら下がっていることを、幼かった娘が見つけた。大人の私は、まったく気がつかなかった。下から見上げなくては見えないところで、蛹達はメタリックに輝きながら揺れていて、不思議な感じがした。

この家は、京都らしく間口が狭く奥に長かった。土間があり、抜けると中庭があった。中庭には、ウサギがいた。家族がもらってきたのである。彼(ユキ、正式名称は雪ノ丞という)は中庭と土間を自由に行き来して、気ままに暮らしていた。中庭の隅を便所と定め、糞の山を築いた。離れに住んでいた友人が、そこに種を蒔き、大きなキュウリやゴウヤが出来た。彼の姿は、このデータベースにもある。今の勤め先に来たときに、学生が自分の飼っているウサギと交尾させたときの映像である(「飼いウサギの交尾行動」(データ番号: momo030519oc01b))。

雪ノ丞のいないころから、この家にはよくイタチが来た。毎晩毎晩、床下を通って台所に通い、いろいろ盗っていった。もらったばかりのマフィンを6個全て食われたのは悔しかった。なめるようにきれいに食べていたのが印象的だった(いや、本当になめたのだ)。とにかく、粉一つ落ちていなかった。たしかに、京都の町中にはイタチがいるのである(「二本足で立って周囲を警戒するイタチ」(データ番号: momo051007ms01b))。

ある晩、床下にいることに気がついたので、そっと近づき畳を渾身の力を込めて踏みつけて、大きな音を出してやった。そうしたら、なんとも言えぬ匂いを残して逃げていった。オス猫の尿をもっともっときつくしたような匂いだったと記憶するが、あれが最後っ屁なのだろうか。

かわいい子供のイタチが二匹で長く遊んでいったこともある。秋口の夜だった。中庭と床下の間を行き来しながら楽しそうに遊んでいた。中庭に面した縁側に座ってしばらく見ていたら、私の下を出たり入ったりして、まったくこっちには気がつく気配もなかった。おいかけっこを繰り返し、目の前で組み合ってはじゃれ合う様子は、かわいらしかった。

ウサギが来てからは、イタチはウサギを2、3度襲った。騒々しい物音に驚いて中庭に出ると、イタチが長い体をくねらせながら、ウサギを追っていた。イタチを追い払うと、ウサギはぐったりして、手で抱え上げると、ぞうきんのようにくたっとした。
藪田慎司(帝京科学大学アニマルサイエンス学科)
2005-12-16

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