「隊長」
『なんだ』
「今度、我々の部隊の宴会があるわけでありますが」
『そうだ。お前は余興をせねばなるまい』
「そうであります。そこで自分は踊りでもしようかと思ったのでありますが」
『踊りか。良いではないか』
「ありがとうございます。しかしですね、なかなか振りを思いつかないであります」
『振りか。それなら、このあいだ行って見て来た地球の生物からパクればよいのだ』
「なるほど! 地球はステキであります。しかし、どんな生物を手本にすればよいのでありますか」
『それはだな、やはり鳥だ』
「鳥でありますか」
『そうだ。地球の生物で踊りが優れているのは、やはり鳥ではないかと私は思う。オドリっていうくらいだからな。ワハハ』
「今回は嫌な予感が・・・」
『なんか言ったか?』
「いえっ。アハ、アハハ。それならさっそく、こないだ覚えたばかりの動物行動の映像データベースで見てみるであります。分類群検索で鳥綱をポチッとな」
『そのものズバリ、こういうのがあるぞ』
「鷺の舞 (コサギの採餌行動)」(データ番号: momo051010eg01b)
「これは確かに美しい舞いに見えるであります」
『うっトリしちゃうな。ワハハ』
「やはりその路線か」
『なんか言ったか?』
「いえっ。アハハのハ。しかしこれは、単に餌を追った結果かもしれない、とのことであります」
『なら、求愛のダンスはどうだ。まず有名なのは、これであるな』
「クジャクの求愛」(データ番号: momo050927pc01b)
「これは小林幸子でありますか」
『オスからメスへの求愛であるからして、美川憲一ではないか』
「ますます話がややこしいであります」
『まあ、そんなことはどうでもよい。ともかく、この誇示行動から、羽根の目玉の数がモテ度合いに効いているとした研究があるが、最近では鳴き声の方が重要という報告もある。紅白同様、歌が良くなきゃ見おトリしちゃうってわけだ。ワハハ』
「・・えー、次は」
『流すんじゃない』
「ア、アハー。ところで、ちょっとスゴイものを見つけたであります」
「コトドリの求愛ダンス」(データ番号: momo051005mn01b)
『コトドリじゃないか。これはスゴイのだ』
「これは踊りもさることながら、歌がスゴイであります」
『きっと彼らの求愛にはものまねのレパートリーが重要なのだな』
「お、さすがに締めはちょっと高度でありますね」
『トリあえず、今日はここまで』
「ああー、やっぱりトリ返しのつかないオチ・・」
石田 惣(大阪市立自然史博物館)
2006-05-26