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ギリギリを生きる

ハクセンシオマネキを捕食するヒメアシハラガニ
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ムラタヒゲナガハリバエの産卵と寄主の防衛
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イボイワオウギガニによる巻貝捕食〜失敗〜
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マエジロアシナガヤセバエのケンカディスプレイ
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このデータベースで捕食や寄生の映像を見ると、生物の世界は過酷だなぁと今更ながらに思う。最近登録された「ハクセンシオマネキを捕食するヒメアシハラガニ」(データ番号: momo070124hj02b)にしろ、「ムラタヒゲナガハリバエの産卵と寄主の防衛」(データ番号: momo061207bp01a)にしろ、生物には突然災いが降りかかってくることが多い。生物の世界はぜんぜんロマンチックではないのだ。

生き死にに関してだけではなく、生物の世界には「運」というものがかなり効いているなぁと僕は感じる。上記の映像のシオマネキは、いつもは警戒して食べられずに済んでいたのに、今回はたまたま逃げ損なったために命を落とすことになった。卵を産み付けられた幼虫も、全ての幼虫がハエに寄生されるわけではなく、たまたま開けたところを歩いていたところに、たまたま寄生者のハエが通りかかったというパターンではないだろうか。生物は常に賭けをしているギャンブラーなのだ(命を賭けている)。「イボイワオウギガニによる巻貝捕食〜失敗〜」(データ番号: momo030727es02b)でカニが貝を食べられないのも(逆に貝が生き延びるのも)、「マエジロアシナガヤセバエのケンカディスプレイ」(データ番号: momo050113rl01b)で倒れてしまうのも、実力だけではなく、運が入り込んできているだろう。

動物はともかくとして、人間はギャンブルが大好きだ。パチンコ、競馬、宝くじ・・・。僕はギャンブルには決して熱中したくはないけれど、なんとなく楽しそうだなぁとは思う。またギャンブルだけでなく、「たまたま」とか「ぎりぎり」ということに神秘性を感じてしまうこともある。たまたま選ばれた、ぎりぎり間に合った、なんてときには、なにか超越した存在に感謝せずにはいられない気がする。僕が生物の進化に魅力を感じるのも、繰り返しの効かない、偶然性の産物であるという点が理由なのかも知れない。

この時期になると大学受験が思い出され、あの辛い時期には戻りたくないと思いを新たにする。受験は僕にとってとても過酷なものだった。多くの知識を身につけなければならないことだけが辛いのではない。遊べば周りに置いて行かれるというジレンマ状況が辛い。そして運悪く苦手な分野が試験に出たら悲劇であるところが辛い。いつもは解ける問題が、なぜか本番で解けないこともあるから辛い。大学入試も「実力+運」なのだ、と、あまり十分でない学力しか持ち合わせずに試験に臨むことが多かった僕は思ってしまう。

新年早々暗い話になってしまったが、そんな運に左右される状況では、最後にできることはもう神頼みくらいしか無い。今の時期は神頼みシーズンでもあるので、ある意味季節に合ったの話題だったかもしれない。
繁宮悠介(長崎総合科学大学)
2007-01-26

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