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巻き貝の変わった食事法

オオヘビガイの摂餌行動
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懸濁物を取り込んで食べているイボウミニナ
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貝が何を食べているかご存じだろうか?例外が多々あることを承知で大雑把に言うと,巻き貝は歯舌と呼ばれるやすり状の歯を持っていて,岩の表面に生えている藻類などを削り取って食べる.また,その歯で他種の貝殻に穴を開けて食べる肉食の種類もいる.一方で二枚貝は,水中に漂っているプランクトンだの有機物を,エラで濾過して食べる.

さて,「オオヘビガイの摂餌行動」(データ番号: momo030208si01b)である.岩の表面にとぐろを巻いているようなのが,こいつの貝殻である.巻き貝らしい形をしていないが,これでも巻き貝の仲間なのだ.巻き貝というのは「腹足」と呼ばれる足で這い回れるからこそ,這い回って藻類をこそげて食べるようなことができるのだが,このオオヘビガイというのは見ての通り岩にくっついて動くことができない.

ではどうやって餌を採っているかというのがこの動画だ.オオヘビガイは,粘液の糸を出してしばらく海中を漂わせておく.頃合いを見てたぐりよせればそこに懸濁物がからまっているので,それを粘液ごと食べるというユニークな食べ方をする.粘液糸を出すところはなかなかわからないが,映像内左上の時計で19:35ごろと19:55ごろにズルズルズルッという感じで引き寄せるところは見ていて面白い.オオヘビガイにしてみれば「おぉ〜大漁大漁」といったところだろうか.

動物行動の映像データベースには,もう一つ懸濁物食の巻き貝の映像がある.「懸濁物を取り込んで食べているイボウミニナ」(データ番号: momo060528bz01a)である.このイボウミニナの場合は,懸濁物まじりの水を水管から吸い込み,体の中で懸濁物を粘液でからめてひも状にして排出し,その後それを食べるという,一風変わったことをしている.「一回体から出したものを食べるってどんな感じなんだろう」と変な想像をしてしまったりするのだが……

ミスジタニシというタニシの仲間も懸濁物食だが,それは殻の口を上に向けて川底に横たわっているそうだ.ちゃんと足があるのに動き回ることなく寝転がっているって,巻き貝にあるまじき「ぐうたら生活」に思えてしまうのは私だけ?でも,ちょっとうらやましいかも.
西 浩孝(京都大学大学院 理学研究科 動物学教室)
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