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大学入試センター試験対策講座

ティンバーゲンの実験 - イトヨの闘争行動を解発する鍵刺激
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ハクガンの卵認識:模造卵による実験
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リュウキュウクロコガネの配偶定位実験(2)
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リュウキュウクロコガネの配偶定位実験(3)
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現行の学習指導要領で学んだ初の卒業生を、今年春に送り出した。彼らが受験した大学入試センター試験の生物 I には、ゴキブリの配偶行動が出題されていた。その前年度、旧課程最後の大学入試センター試験生物 IB にはベニツチカメムシの帰巣行動が出題されていた。その昔にはヒキガエルの定位行動が出題されている。動物行動学は、学習指導要領が改訂されても、相変わらずセンター生物の定番領域になっている!?そこで、この「動物行動のデータベース」を教育的に活用して、センター試験対策に役立てることはできないのもかと考えてみた。

 第1問:繁殖期に入って巣作りをしているイトヨのオスは、巣を中心とするなわばりを持ち、他のオスが侵入した場合、なわばりオスは相手に突進する闘争行動により侵入オスを追い払う。「ティンバーゲンの実験 - イトヨの闘争行動を解発する鍵刺激」(データ番号: momo050707ga01b)動物にとって生得的な行動を引き起こす(解発する)要因を「リリーサー(解発因)」と呼び、リリーサーに含まれる特徴的な刺激要素を「鍵刺激」と呼ぶ。イトヨの場合、闘争行動のリリーサーはなわばり内への他のオスの侵入だが、この場合の鍵刺激は何か、ムービーを見て答えよ。

 第二問:地上で営巣する鳥の多くでは、親鳥は外に出た卵を巣の中に戻す行動を行う。どんな物体を卵と認識するのかを知るために、ハクガンにいろいろな物体を見せた。「ハクガンの卵認識:模造卵による実験」(データ番号: momo060129ac01b)本物の卵(白色)より小さな白色ダミー、大きな白色ダミー、もっと大きな白色ダミー。さらに、白い立方体、赤いダミーを巣の側に置いた。ハクガンはどの物体でも転がして、巣の中に入れようとした。ハクガンの卵を巣に戻す行動は、どのような鍵刺激で解発されると考えられるか、ムービーを見て答えよ。

 第三問:リュウキュウクロコガネのオスは、メスの性フェロモンに誘引されて飛来し、背中に着地・交尾する。メスの体色に似た黒綿球、それと対照的な白綿球(綿を布でくるんだもの、直径1.5 cm)の両方をフェロモン処理すると、オスは黒綿球により多数着地する。両方ともフェロモン処理なしの場合には、オスは着地しない。フェロモン処理した白綿球と無処理の黒綿球を5cmの距離で固定した棒を風向きと直交する支柱にとりつけた。リュウキュウクロコガネのオスは、風下から飛来して黒球の上にホバリングせずに着地した。「リュウキュウクロコガネの配偶定位実験(2)」(データ番号: momo040305hl02a)同様にフェロモン処理した白球と無処理の黒綿球の距離を20cmにすると、オスは風下から飛来するが黒綿球、白綿球の前でホバリングし、着地は容易に起きなかった。「リュウキュウクロコガネの配偶定位実験(3)」(データ番号: momo040305hl03a)この結果からコガネムシのオスは視覚刺激と化学刺激をどのように使い分けて着地し、メスと交尾にいたると考えられるか、ムービーを見て答えよ。

 センター試験前のこの季節、時にはムービーを活用したこんなスタイルの演習もいいんじゃないだろうか。特に文化系の受験生で、進学後に生物を専攻しない生徒たちを意識してみた。彼ら・彼女らに、センター試験では生物でさんざんな目にあったという負の遺産しか残さないようでは申し訳ない。いかがなもんでしょうか?


 
広瀬祐司(大阪府立茨木高等学校)
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