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ちょっと貸して

雪の塊で遊ぶニホンザル
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雪の塊で遊ぶニホンザル2
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今でもなぜか時々思い出す、祖父の家に遊びに行った夏休みのあの日のこと。

自分の姉と年下のいとこ達とみんなでワイワイ遊ぶのに飽きたので、私は一人抜け出して別の部屋でぼーっとしていました。傍らに目をやると、座布団が数枚。高く積んで乗ったら楽しそうだったので、やってみました。笑点の大喜利みたいで快適です。そのうちただ座るだけでは物足りなくなってピョンピョン跳ねると、これはまた危なっかしさがエキサイティングです。きっと一人で大はしゃぎだったのでしょう、部屋の近くを通りかかったいとこに見つかってしまいました。いとこは「やらせて!やらせて!」と座布団に体をねじ込んできます。子供の頃の3、4歳の体力の差は大きくて、当然いとこは私に追いやられ、泣き出しました。飛んで駆け付けた母に怒られて、「だって、他にも座布団たくさんあるのに、むりやり私のを取ろうとするんだもん、、、」と心の中でつぶやきながら、私はしぶしぶその部屋をあとにしました。

今になってみると、他の座布団を集めてきて、これこれこうやって積んで遊ぶんだよ、と教えてあげればよかったのに、とケチな自分にあきれるんですが、きっとまだ子供で、妹として育った私には「方法を教えてあげて、楽しみを共有する」という高度なことは思い付かなかったんでしょう。

これと似たような状況の動画がこのサイトに登録された時には、陳腐な言い方だけれど「人間もサルも変わらんなぁ」と感心したものです。
では、まず、子ザルが持っていた雪の塊を、横から来た自分よりちょっと小さい子ザルに取られそうになって、しばし塊を引っ張り合いしたあとで取り返す、という映像をご覧下さい(「雪の塊で遊ぶニホンザル」(データ番号: momo050331mf01b))。
この雪の塊は「雪の塊で遊ぶニホンザル2」(データ番号: momo050331mf02b)でも分かるように、周りに豊富にある雪をかき集めて簡単に作れそうなもので、別段珍品というものでもなさそうです。でも、小さい方の個体にとってはなんだか素敵なもののように見えたのか、かなり欲しそうです。
大きい個体の方が塊を小さい個体にあげてまた新しいのを作るとか、塊をもらえないんなら小さい個体が自分で作るとかいうことにはならないのが、私の思い出と全く同じでおもしろいです。どれぐらいに成長すれば、教えたり分け与えたりする社会行動が身につくようになるんでしょうかね。

あと、この塊をいつまでこのサルが大事に持っていたのか、私にとってはちょっと気になるところです。がんばって取り返した割には、案外すぐに飽きて捨てちゃってたりしてね。私のいとこも、結局奪った座布団、すぐにほったらかしてたからなぁ。
佐藤ミチコ(大阪自然史博外来研究員)
2005-05-13

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