年度末ということもあり、リフレッシュもかねて近所の嬉野温泉(佐賀県)に行ってきた。嬉野温泉は、そのハッピーな名前も魅力的だが、「日本三大美肌の湯」として知られる泉質自慢の温泉だ。ちなみに「美肌の湯」とよく似たものに「美人の湯」というのがあり、そちらのベストスリーには和歌山の龍神温泉が含まれる。龍神温泉にも入ったことがあるのだが、かなり長い間スベスベ感が残ったことを覚えている。ということで、嬉野温泉に入ることは、「美人」と「美肌」の違いとはなにか、について考えるのに良い機会だ。う〜む、一見「美人の湯」の方が包括的で優れていそうだが、「美肌の湯」は対象を絞ることで曖昧さを排除し、信頼度を上げているのではなかろうか、とピントのずれた考察をしてみた。
なにはともあれ、嬉野はお茶の産地としても有名な山間の小さな町だ。それでも旅館やホテルは数十もあり、普通に民家もあるところがまた素朴で、昼のメインストリートは祝日でも閑散としているが、夜になるとそれなりに人が泊まっているところが不思議な町だ。そんなところでゆっくり過ごすのは、なによりの休息となった。
ということで今回は、動物たちの休息シーンをちょっとだけ覗いてみることにしよう。休息と言えば、ニッポンのサラリーマンが家に帰ってきて叫ぶという「メシ、フロ、ネル!」を思い浮かべるが、メシは動物にとっては決して休息などではなく、活動の大半を占める重要な仕事だと思うので探さないことにした。そこでフロとネルの映像となるわけだが・・・。
まず
「温泉に入るニホンザル」(データ番号: momo050331mf03b)。山深い温泉でサルが温泉に浸かっている。冷たそうな雪と立ち昇る湯気の向こうに猿の顔が見える。いわゆる動きの少ない映像だ。動かないことは「動かない行動も重要な行動である」と言えるため、このコラムのシリーズでは評価が高いのだ。しかしこの映像は、そのような意味での重要さもなさそうだ。ただお湯に浸かってあまり動かないサルたちの姿が映っているだけであり、温まっているサルと、おそらく温泉に浸からないでいる撮影者との、映像には映らない対比が鮮やかだ。ぜんぜん動物行動に関するコメントになってないな・・・。
次は
「キタゾウアザラシの睡眠」(データ番号: momo070314ma01b)。はっきり言ってスゴい映像だ。鼻が水に浸かっている!とても寝苦しそうだ。それでいて閉じた目のなんとも穏やかなこと。目だけ見ているととても安らかな気持ちになる。しかし、呼吸のことを考えると急に息苦しくなる。やっぱりこんな寝方はイヤだ。夢にも出てきてほしくない。
しかし長い間疑問に思っていたことだが、温泉に浸かったサルは、お湯から上がっても体をタオルで拭いたりすることはないだろうに、それで湯冷めをしないものだろうか。雪が舞うような寒い中にずぶぬれで居ては、毛皮が凍り、凍え死ぬこともありうると思うのだが・・・。休息の後には厳しい現実が待っていてくれるものである。いや、別に僕の今の状況が非常に厳しいとか、そういう話では無いけれど。
繁宮悠介(長崎総合科学大学)
2007-03-30