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ヘビ捕りの思い出

ヤマカガシの防御的攻撃行動
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アオダイショウの防御的攻撃行動
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最近、MOMOにヘビの動画が登録された。「ヤマカガシの防御的攻撃行動」(データ番号: momo081203rt01b)「アオダイショウの防御的攻撃行動」(データ番号: momo081203ec01b)である。

ヘビで思い出すのは、昨年度1年間を過ごした新潟の松之山でのできごとである。松之山というところは、ヘビの多いところだった。生態系ピラミッドの上位に位置するヘビが多いと言うことは、ヘビの食物となるカエルやネズミなども多いということであり、生物相全体が豊かということであろう。

私が研究員をしていた「森の学校」キョロロでは、エントランスを入ったところでヘビを生態展示していた。シマヘビ、アオダイショウ、ヤマカガシ、マムシ、ヒバカリ、ジムグリ、シロマダラといった、地域に生息するヘビたちである。団体さんにはヘビに触れていただくこともあり、歓声(や悲鳴)が上がる人気コーナーである。よく「噛みませんか?」と聞かれたが、「噛むことはあるけど、毒はないから大丈夫です」と答えたものである。実際には飼育している間におとなしくなっていて、この動画のように攻撃してくることはほとんどなかった。

そこに補充するヘビを捕獲してくるというのも研究員の仕事の一つであった。中でも、マムシを捕まえるのが研究員としての通過儀礼と言われていた。マムシはご存じの通り毒蛇である。ある夜、道路でマムシを見つけたのだが、普通に手でつかむわけにはいかない。しかし、テレビに出てくるヘビ捕り名人が使うような器具を持ち歩いているわけでもない。仕方なく、足で踏みつけ、首根っこをつかまえた。手に持ち替えたところでマムシを見ると、ちょっと血がにじんでいた。怖くて強く踏みつけすぎてしまったようである。さて、そこまではよいが、マムシを手に持ったままでは車を運転できない。困っているところでたまたま同僚が通りかかって手伝ってくれたので、捕虫網に入れて職場に持ち帰ることができた。

翌朝、出勤してマムシを入れていた容器を見て驚いた。フタのプラスチックが噛み破られており、そこからマムシが首を出していたのである。マムシは、ペットボトル等の容器に入れていても、人が手を近づけると攻撃してくることがある。そんな感じでフタに攻撃をしかけ、ついには穴を開けることに成功したのだろう。フタは網状になっていて、途中で引っかかってそれ以上出てこられなかったのが幸いだった。万一、館内に逃げ出していれば、お客さんを危険にさらすわけにはいかないので、発見できるまで臨時閉館しなければいけないところであった。危ない危ない。

さて、今回登録されたヤマカガシも、説明にも書かれているとおり毒蛇である。この動画では手で触れようとしているが、軍手をしているとはいえ勇気あるなぁ。それにしても、無毒なアオダイショウの方が攻撃的で、毒蛇のヤマカガシは噛みつこうとせずに鎌首を持ち上げてぶつけてくるだけというのは興味深い。噛みつくのは最終手段として残しておくのだろうか?私がヤマカガシを捕まえようとしたときは、逃げてばかりでこの動画のようには攻撃されなかったが、もし攻撃されていたら鎌首を持ち上げただけでもびびりまくっていただろうなぁ……。1984年に中学生が噛まれて亡くなるまで毒蛇と認識されていなかったくらいだから、よっぽどのことがない限り大丈夫だと思うのだが、この映像を見て安易に真似しないようにご注意を。
西 浩孝(豊橋市自然史博物館)
2008-12-05

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