サカナ,トリと来たから,次は両棲類かな,と思う。両棲類の映像は現時点で13所蔵されている。このうち12はカエルの映像で,残りの1つがサンショウウオである。詳しく言うと,カエル類は5種である。以上のことは分類群検索を使って調べたのだが,その際,カエル類が無尾類,サンショウウオ類が有尾類なのだなということがわかる。尾の有る無しで大きく分けているわけだ。大変わかりやすい。このように,教育的なのもデーターベースのよさである。
カエルの映像の中に,カジカガエルのなわばり闘争を扱った映像がある。彼らの闘争は次のような段階をふんで行われる。まず,鳴き声でそこが自分のなわばりである事を周囲にアピールする。これを「広告鳴き」と呼んだりする(
「カジカガエルの広告鳴き」(データ番号: momo060824bb01b))。渓流に響くカジカガエルの美しい声は,これである。宣言しているのになわばりに入ってきているけしからん輩とは,けんかになるわけだが,いきなり飛びかかったりせずに,まずは鳴き声で間接的にけんかをする。この時の声は,さきほどの広告無きとは違う声でなんとなくドスの効いた声である。これを「攻撃鳴き」と呼ぶ(
「カジカガエルの闘争1:鳴き交わし」(データ番号: momo060824bb02b))。これでも決着がつかないと,やっと取っ組み合いのけんかになる(
「カジカガエルの闘争2:エスカレートした闘争」(データ番号: momo060824bb03b))。
このように彼らの闘争は,宣言/宣伝→間接的闘争→直接的闘争,と段階的に進む。このようなけんかの流儀は,カエルだけではない。魚にも哺乳類にも爬虫類にも,カニや昆虫のような節足動物にも,多くの動物で共通して観察される。その様子は,こんどは簡単検索で「けんか」をポチッとすればいくつか見つける事ができる。例えば(
「マエジロアシナガヤセバエのケンカディスプレイ」(データ番号: momo050113rl01b),
「キタゾウアザラシの雄間闘争」(データ番号: momo030627ma01b),
「ミスジチョウチョウウオのなわばり闘争」(データ番号: momo010711cl01b)等)。
多くの動物で同じけんかの流儀があるのは,そうなるような進化の力(淘汰圧)があるからだと考えられている。その原理は,ごく乱暴に言ってしまうが,サカナだってアザラシだってヤセバエだって欲しいものは手に入れたいし守りたいけどなるべく怪我はしたくない,ということである。だから,なるべく怪我しないような形で決着する方法が進化するのである。動物は分類群が違えばずいぶん形が違うものだが,このように分類群を超えて共通に見られる行動というものもある。
話を両棲類にもどすが,現在の所蔵映像はわずか6種であるが,地球にはもっとたくさんの両棲類がいる。カエル以外にもサンショウウオ類やらイモリの仲間やらたくさん住んでいる。カエル類もすごく多い。さらに多くの映像を所蔵し,いつ地球外の方がポチッとされてもよいよう,ますます充実させたいものである。
最後に,多くの両棲類が環境破壊によって絶滅の危機にあるということも申し添えておきたい。これは深刻で大切な話だと思うので。
藪田慎司(帝京科学大学アニマルサイエンス学科)
2006-10-20