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動物映像地理学

魚を探すカワセミ
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サルとシカ
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ティンバーゲンの実験 - イトヨの闘争行動を解発する鍵刺激
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ガラパゴスアホウドリの求愛ディスプレイ
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MOMO には4月13日現在で 788 件の映像が登録されているのだと言う。ずいぶんたくさん集まったものである。これも映像を登録して下さる利用者のみなさんのおかげだと、関係者一同頭の下がる思いである。さてこれだけの数が揃えば統計を取ることに意味があるだろう。分類群ごとの映像数は分類群検索を見ればわかる(脊索動物と節足動物に集中している)ので、ここはひとつ別の観点からということで、映像撮影地の分布を調べてみることにした。動物地理学ならぬ動物映像地理学である。花粉症シーズンなので休日もあまり外出したくなくて家で映像を数えるのにちょうどいい、という思い切り個人的な都合もある。とは言え 788 件全部調べるのは大変なので、まずは脊索動物だけ調べてみることにした。日本国内は都道府県別、国外は国別に登録映像の数を一生懸命数えた。

カウントを始める前にいくつか予想したことがあった。まず、MOMO 関係者やその友人知人の所在地で多く撮影されているであろうこと、自然の残り具合など動物個体数に関係する要因もあるだろうがそれよりは人口の多い場所のほうが映像も多い傾向があるのではないかということ、そして沖縄や北海道といった「絵になる」動物の多いところに撮影地が多く分布しているだろうということ、などである。

では実際にカウントしてわかった結果はと言うとちょっと意外なものだった。登録映像数第1位はなんと東京都で112件もあった。人口が多いから登録映像も多いとは思っていたが1位とは驚きだ。伊豆諸島や小笠原諸島で撮影された映像がたくさん登録されているほか、鳥類をたくさん登録して下さっている方がいてその撮影地が東京都多摩地区中心であることが、効いているらしい。「魚を探すカワセミ」(データ番号: momo080406un01b)
登録件数0の都道府県も 20 県ある。なかでも、東北地方は 6 県のうち4県で登録映像0で、登録のあるのは青森(12件)と岩手(1件)の2県だけだ。中国地方はもっと少なくて5県とも登録映像0だったのにはちょっと驚いた。このほか四国も愛媛県に2件登録されているだけだ。東北、中国、四国といえば面積も広く自然の多く残されている地域のはずなのに、これほど少ないとはびっくりした。ひょっとしたらネットワーク普及率が低いのかしら?
意外なところで登録数の多かったのが栃木県(52件)と福井県(32件)。栃木県には奥日光でシカなど大型獣を多く登録してくれる方がいて、福井県ではイトヨの連作が多く登録されているためこうなったらしい。「サルとシカ」(データ番号: momo070328mf01b)
「ティンバーゲンの実験 - イトヨの闘争行動を解発する鍵刺激」(データ番号: momo050707ga01b)
北海道(14件)と沖縄(17件)はやはり「絵になる」というか比較的珍しい動物(あざらしなど)が登録されていてこれだけの数になった。

海外はどうかと言うと、ダントツの1位がタンザニアの63件。チンパンジーとボノボの映像が多数登録されているため。タンザニアのほかアフリカでは4カ国16件の登録がある。逆に少ないところはオセアニアでオーストラリアの1件だけ。変わったところでは、南極3件、ガラパゴス(チリ)の2件などがある。「ガラパゴスアホウドリの求愛ディスプレイ」(データ番号: momo061130pi01b)
撮影地の記されていない映像も結構あって30件だった。これから映像登録される皆様は、できるだけ撮影地は記入されたほうがいろいろと参考になってよろしいかと思います。このほかに「保全のために撮影地は秘密」というのも1件だけあった。

このように、撮影地を数えてみていろいろなことに気づいたが、何よりも一番驚いたのは自分が日本の全都道府県をそらで列挙できることだった。これがわかっただけでも日曜日をつぶして数えただけの成果はあったか。
井上 真(MOMO 運営ボランティア)
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