ちょっと前の話。何の気なしにテレビをつけたら、世界のどこかで起きた驚くべき事件を再現フィルムで紹介して、その真相を当てるという番組をやっていた。
魚屋のオジさんにカレイをもらったので、生きたまま冷蔵庫に入れておいた。さて、食事を作ろうかと思ったら、容器に入れていたはずのカレイがなくなっている。冷蔵庫の中を探してみたけれど、見あたらない。家族に尋ねても、みんな冷蔵庫を開けていないという。さて、このカレイはどこにどうやって消えてしまったのでしょう?という問題だった。
このカレイ、実は「カレイに化けたタコ」で、それが逃げ出したから、が正解。
容器から這い出して、別の入れ物の中で海藻になりきっていた、というオチだったような。いや、このオチは私が勝手に作ったものかも。最初はあんまり興味がなくて適当に見ていたもんだから、記憶がかなり曖昧なんだけど、そんな内容だった。
まぁ、「いくら似てるって言っても、冷蔵庫に入れるまで気がつかへんっていうことあるんかなぁ?」とちょっと疑ってしまうフシはあるものの、番組の映像でのタコのなりきりっぷりはお見事だった。
では実際、どんな化け方をするか見てみよう
「タコの大変身」(データ番号: momo040202os01b)。映像はクロウシノシタとミナミホタテウミヘビに擬態をするホワイトブイオクトパスで、ウミヘビ、ウミヘビに擬態するタコ、ウシノシタ、ウシノシタに擬態するタコ、の順番で紹介されている。確かに、まだらの色といい、海底すれすれをヒラヒラと泳ぐ姿といい、特徴をよくつかんでいる。
モノマネのレパートリーには他にイソギンチャク、ウミシダ、ミノカサゴなどがあるようなので、そんな映像をお持ちのダイバーさん、ぜひ本データベースに登録を、、、
このタコの擬態は、「餌生物」に対してというより「捕食者や攻撃を仕掛けてくる生物」をだますのに役立てているようで、だから何に化けるかは出会った敵によって変えるそうな。例えばスズメダイの縄張りにうっかり入ってしまった時は、スズメダイの天敵のウミヘビに化けるとかいったように。
でも、人間に対してはカレイになったって、おいしそうな食材としてしか映らないのが悲しいところだなぁ。
<おまけ>
・メルボルン博物館のマーク・ノーマン博士らがインドネシアで発見した近縁種(通称ミミックオクトパス)の話はこちら。
Proceedings of the Royal Society of London B (2001) vol.268, no.1478, 1755-1758
・ロイヤルソサエティーのホームページ
http://www.pubs.royalsoc.ac.uk/proc_bio_homepage.shtmlから
News Archive
> 2001
> September 2001
> Mimic octopus is an impressive quick change artist
に行くと映像もいくつかあります。必見!
佐藤ミチコ(京大瀬戸臨海実験所)
2005-02-18