視る・想うRSS

[データベースホーム]

永久機関幻想

川面でホバリングをしてすくうように捕食するハクセキレイ
↑click to play

アメリカロビン
↑click to play

「川面でホバリングをしてすくうように捕食するハクセキレイ」(データ番号: momo090406ma01b)を見ていると、いつも不思議に思うことがある。それはエネルギー収支はちゃんと取れているのだろうか?ということだ。動物は採餌活動にエネルギーを投じて、その見返りとして餌からエネルギーを得ている。これは商売活動における仕入れと売り上げのようなものだとみなせば良い。で、売り上げよりも仕入れの方が大きくなるよう振舞う商売人は失格なわけで、動物でも得られるエネルギーの方が投じたエネルギーよりも大きくなるよう採餌活動を行っているだろうと考えられる。

そこでこのホバリングである。空中で静止するのは、普通に飛ぶより多量のエネルギーを必要とすることであって、例えばハチドリなんかは四六時中餌を食べていないと飢え死にすると言われている。このハクセキレイ、ハチドリより遥かに重たい鳥なのでそのホバリングに必要なエネルギーはさらに大きいものだと考えられる。で、解説文によるとこのハクセキレイはおそらくユスリカの羽化成虫や蛹を食べているのだろうと言うことであるが、問題は、果たしてユスリカからホバリングを賄うだけのエネルギーが得られるのだろうか?ということだ。

いや、もちろん得られるに決まっている、でなければそもそもそんな行動が起こりようがない、と一刀両断するのも一つの立場だ。しかしボンクラな私は、ついつい「得られていないとして、にも関わらずこのような行動が起きる理由って何かあるだろうか?」とか考えてしまうのだ。全くこういうことばっかり考えているからいつまでたってもパッとしないまま年を重ねてしまうのであるよ。

翻ってなぜ私はこんなムダな考えに囚われるのかと内省してみると、どうも「赤字になるような行動はしない」という経済一辺倒の論理がウソであって欲しいという気持ちがあるように思われる。というかこれは、誰もが疑わない理論を覆す発見をしたぞ!幻想の一つの現れかもしれない。オレは相対性理論の間違いを証明した!とか主張する人達とその心根は深いところで同じであると言う。ああ、書いていて少しイヤな気持ちになってきた。

とか言いながら、「アメリカロビン」(データ番号: momo080306tm01b)を見る。この映像を見る度に、こうしてヒナの糞を親鳥が食べ、その糞をまたヒナに与えれば、エサ採りに行く必要ないじゃないか!とか頭に浮かぶのである。全く性懲りもない。
中田兼介(東京経済大)
2009-08-21

バックナンバー

2006-02-24〜2006-06-02
2006-02-17
ボッソウの人々
藪田慎司(帝京科学大学アニマルサイエンス学科)
2006-02-10
ゆとり:遊んで過ごした日々
広瀬祐司(大阪府立茨木高校)
2006-02-03
人間も動物だったのね
佐藤ミチコ(大阪自然史博外来研究員)
2006-01-27
チキュウノ セイブツヲ ホカクセヨ
石田 惣(福井市自然史博物館)
2006-01-20
トライアル・アンド・エラー
繁宮悠介(長崎総合科学大学)
2006-01-13
イヌの話
西 浩孝(京都大学大学院 理学研究科 動物学教室)
2006-01-06
動かない動き
藪田慎司(帝京科学大学アニマルサイエンス学科)
2005-12-30
十二支
井上 真(MOMO 運営ボランティア)
2005-12-23
Yes, Virginia
森貴久(帝京科学大)
2005-12-16
思い出したこと
藪田慎司(帝京科学大学アニマルサイエンス学科)
2005-12-09
野球場に連れてって
中田兼介(東京経済大学)
2005-12-02
高校生の眼で見たデジタル映像コンテスト
広瀬祐司(大阪府立茨木高校)
2005-11-25
宿主の気持ち
佐藤ミチコ(大阪自然史博外来研究員)
2005-11-18
冬空に回すカメラ
石田 惣(福井市自然史博物館)
2005-11-11
周りが私にそうさせる
繁宮悠介(長崎総合科学大学)
2005-07-29〜2005-11-04