一般投票中の動物行動のデジタル映像コンテストに、高校生物の授業時間で試行的な投票を試みました。応募作品を65分授業の時間内で再生し、解説文を生徒たちに読んでもらい、難解な術語についてはこちらで解説して、その後5段階で評価してもらいました。最初の1クラスは手間取って10本、次のクラスは残りの17本に対して、上記の手順で投票しました。したがって、1本あたりの投票数がほぼクラスの人数に平準化された状態で、結果がでました。
一位は平均4.33:
「子犬の遊び、ケンカ、「仲裁」行動」(データ番号: momo041128cf01b)、二位は平均4.31:
「キタゾウアザラシの雄間闘争」(データ番号: momo030627ma01b)、三位は平均4.17:
「マエジロアシナガヤセバエのケンカディスプレイ」(データ番号: momo050113rl01b)、でした。一般投票の結果と比較すると・・・、おおっ!高校生は子犬の「仲裁行動」を非常に高く評価していることがわかります。因みにキタゾウアザラシとマエジロアシナガヤセバエは一般投票でも上位にはいっている作品です。
現場に居合わせた私の解釈では、子犬が自分の仲間のあげた声に対して迅速に反応していることこれが驚きだったようです。高校では40名、小学校でも30と数名のクラス集団で生活している生徒たちは、なかなかクラスの仲間全員に対して注意をはらえるわけではありません。一人がいじめられていても、気づかぬこと・見て見ぬふりをすることも現実にあるのかな。それだけではありません、子犬は迅速に反応して、ケンカの仲裁をしている、これは人間のいう正義を行っている。これが、「会社」のような序列化された集団ではなく、生徒たちが日々過ごす「学校」に似た、遊び仲間の子犬集団で起こっている。
教育関係者としましては、実に「見習ってほしい」作品です。動物たちの行動や、たたずまい・身のこなしを知ることで、古来人類は生きていく上で大切な何かを、習ってきた(もらってきた)ような気がします。湖北で見たオオタカの「御尊顔」、西表島沿岸でテイルウォークするダツが見せてくれた「躍動」、ビオトープ池にやってきたアオサギが見せた彫像のような「静止」、フェリーから見たシュモクザメの「妖姿」。そんな大切な何かをこの動物行動の映像データベースから生徒たちが学んでくれれば、こちらは本当にありがたい。
おおっと!生徒たちは、キタゾウアザラシの雄間闘争も高く評価しているようです。こちらを見習って、複数の男子が一人の女子をめぐって、殴り合いのケンカをしないことを祈ります。
広瀬祐司(大阪府立茨木高等学校)
2005-02-25