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犬の出産の思い出

犬の出産
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僕は犬が大好きで、犬を見ると撫でたくなって仕方が無い(「掻いたらよけい痒くなる?」参照)。大学生の頃はアパート暮らしで犬を飼えるはずも無く、長崎で就職して3年経った今もやっぱり飼えないでいる。キャンパスを散歩している犬を見るとついつい引き寄せられそうになるのだが、こちらから近づいていくのは怪しい人物と思われてしまうだろうから、なかなかお近づきになれない。代わりというわけでもないけれど、キャンパスに住み着いたネコを撫でて憂さを晴らしている。

 僕が小学生のころ、家では「ラッシー」という名前のシェットランドシープドッグ(ミニコリー)を飼っていた。ラッシーはメスで、二度の出産を経験した。「犬の出産」(データ番号: momo031025cf01b)で見られるように、子犬は羊膜に包まれた状態で産み落とされ、母イヌがそれを噛み破らなければ窒息して死んでしまうらしい。

 僕が母親に聞いた話では、ラッシーの最初の出産の時、一頭目を産み落とした彼女は、どうすればよいのか分からなかったらしく、母親がたまたま庭に出てくるまでの間、子犬は羊膜に包まれたままだったという。ラッシーは助けを求めるような目で、母親を見つめていたらしい(半分推測)。母親が慌てて羊膜を破いてやると、「なるほど」と承知したらしく、その後産んだ子に対しては、自分で羊膜を噛み破り、ぬれた体をなめて呼吸を促し、続けて5匹ほどを産んだということだ。学校から帰った僕は、目も開いていない子犬たちが、母親のお腹からぶら下がるように並んでお乳を飲んでいるのを見て感動したものだ。

 家に一番長くいる母親は、無駄吠えなどを叱る機会も多く、実はラッシーにはおそれられている存在だった。たとえば家から人が出てくる気配がすると、ラッシーは散歩に行けると思って飛び跳ねて待っているのだが、母親が洗濯物を干しに出てきただけだったりすると、ラッシーは慌てて犬小屋の中に入っていくほどだった。そんなラッシーと母親の間で、母親がラッシーの出産において特別な仕事をこなし、ラッシーがそれを見習って自分で羊膜を破るようになったという話は、とても印象に残っている。
繁宮悠介(長崎総合科学大学)
2006-11-24

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