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くねくねと進む動物 - 脊索動物 -

ちびオス受難
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餌資源を巡るアカマタの闘争
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母ヤギの背中で遊ぶ仔ヤギ
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 以前、動物の分類を少し勉強したことがある。生物の専門家ではない筆者の分類の知識は高校生物の授業レベルで止まっているため、ほとんど一から勉強しなおすことになった。細かな階層まではとても手が回らないので、門のレベルをさっとかじっただけだが、それでも結構勉強になった。たとえば、脊索動物はそれまで「背骨(など)を持つ動物」という理解でしかなかったが、「消化管の入口近くが分岐して呼吸器官となっている動物」でもあることがわかった。では、動きから見た脊索動物の特徴はなんだろうか?

そこでMOMOの映像で脊索動物を見てみる。「ちびオス受難」(データ番号: momo041213om01b)を見るとサケが身体を左右にくねらせて元気に泳いでいる。大きなオスに捕まったちびオスも身体をくねらせて逃れようと暴れている。「餌資源を巡るアカマタの闘争」(データ番号: momo031023ds01b)はもっとはっきりした例で、二匹のヘビがこれでもかというくらいくねくねしている。

これらの動物の動きはあたりまえといえばアタリマエだが、考えてみると脊索動物以外ではこのような推進方法を取っている動物がほとんどいないことに気づく。たとえばミミズはくねくねと進むのではなくて伸び縮みで進んでいる。「4本足の脊索動物はくねくねしないじゃないか」とつっこまれそうだが、たとえば「母ヤギの背中で遊ぶ仔ヤギ」(データ番号: momo031024ca01b)を見ると、走ったり跳んだりするときは胴体が上下にしなっているのがわかる。(「チーターの疾走」とかいう映像があれば背骨がムチのように上下にしなうのが見えるはずだが、残念ながらアフリカの大地は遠いようだ)

脊索動物は「身体を左右または上下にくねらせて進む動物」でもあるらしい。

おそらくは、脊索そのものも、この「くねくね運動」を支えるために、筋肉が付着する場所として弾力のある丈夫な棒が必要になって生じたのだろう。そして「くねくね運動」が必要になるのは、水底から離れた足がかりのない水中を高速に移動する時だ。岩や砂の上なら脚で歩いたり腹足ではったりできるし、土や泥の中ならそれらを足がかりにしてくねったり伸び縮みしたりして進むことができる。これに対して、足がかりのない水中では、筋肉の動きが空しく水をかき混ぜるだけに終わらないためには、体の内部に「足がかり」に相当する弾力のある棒を用意して「くねくね運動」による水流で進むのが効率的だ。

きっと二足歩行にも背骨のしなう運動は大事なのだと思うけど、われわれヒトは普段これを歩行中に意識することはほとんどない。しかし水中では「くねくね運動」は大事で、特にバタフライと平泳ぎでは推進力のかなりの部分はこの動きで得ていると言える。ヒトも水中ではご先祖さまの推進方法を実感できるのである。しかもこの推進方法は脊索動物にとっての自然な動きであるらしく、運動不足から来る背中の痛みも解消できるというおまけ付きだ。

ところで、筆者はロボット(と言ってもヒト型ではないが)の開発に携わっていたことがあり、このようなヒトを含んだ脊索動物の動きを考えると、最近流行のヒト型ロボットに背骨の屈曲性のないことが気になる。あれは人間の推進方法の一番大事な部分をないがしろにしているのではないかと思うのだが、いかがなものだろうか? 胴体が甲羅で覆われ屈曲させることのできないカメの歩みののろさを思うと、背骨が屈曲しないためにあのロボット達はちゃんと走れないのではないかと思えてくる。
井上 真(MOMO 運営ボランティア)
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