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掻いたらよけい痒くなる?

子犬の脇腹をくすぐった時に起こる後ろ足の反応
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僕は犬が大好きで、犬を見ると撫でたくなって仕方が無い。大学生の頃はもちろん犬を飼えるはずも無く、川沿いを散歩している犬を見るとついつい引き寄せられそうになるのだが、滅多なことでは撫でるところまではいかない。なぜなら、こちらから近づいていくのはちょっと怪しい人物かなと思ってしまうからで、だから向こうから飛び掛ってきてくれるような犬こそ大歓迎である。飼い主はたいてい謝ってくれるのだが、こちらから礼を言いたいくらいである。

犬を撫でるときは、だいたい首の回りや前足の付け根を掻くようにする。そのあたりは、犬にとって、前足はもちろん後ろ足でも掻きにくい場所なのだ。痒いところに手が届く、そんな掻き手になりたいといつも思っている。ところが掻いていると、犬もいっしょに掻こうとする。去年まで家庭教師をしていた家にはグレートピレニーズがいた。それは僕がそれまで撫でたことも無かったような大型犬で、掻き甲斐も掻く面積も小型犬の5倍以上はあるのだが、首を掻いてやると、僕の手ほどもある後ろ足で同じ部分を掻こうとするので、僕の手は払いのけられたり、掻いている手を掻かれたりする。僕はこの行動を、「掻かれている」ことによって「掻く」という動作が起こる、不思議な例だと思っていた。それは「笑い顔を作っているうちに幸せに感じてしまう」のと似たようなものだろうと思って、「神経系には、原因と結果が逆さになる不思議な現象が起こるものだなぁ」と、ちょっと面白く思っていたところだった。しかも原因と結果が逆さに繋がることは、ループが形成されることになり、「掻かれる」→「掻く」→「掻かれる」→「掻く」・・・と延々、多分疲れるまで、続くことになる。

「子犬の脇腹をくすぐった時に起こる後ろ足の反応」(データ番号: momo031025cf03b)は、この行動が子犬の時点ですでに起こることを見せてくれる。しかしこの映像では、掻いているのか、それともくすぐっているのかが微妙である(題名にはしっかり「くすぐる」と書いてあるが)。この行動は単にくすぐったいから掻こうとして引き起こされた行動なのかも知れない。となると、僕が「掻いて」やったときに起こるあの行動についても再考する必要があるだろう。もしかして僕は、ただ犬をくすぐっていただけだったのだろうか。そんなことはない。くすぐったいなんて言わせないほどガシガシと掻いてきた。それに犬達も「掻いてくれてありがとう」と言わんばかりに喜んでいたぞ!しかし、それも所詮、僕の神経系が「原因」と「結果」を取り違えた、単なる誤解だったのかも知れない。真実はいったいどこに・・・、と研究の合間に考える今日この頃です。
繁宮悠介(長崎総合科学大学)
2004-11-19

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