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私と鹿が好きなもの

奈良公園の鹿寄せ
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私の出身は奈良です。
奈良といえば、誰しもが大仏・鹿・お寺といったイメージを持つと思いますが、そんな風景が転がっているような場所は、奈良県内、いや奈良市内でもほんの一部です。ほんの一部なんですが、私の育ったところはその「いかにも奈良」的なものに溢れているところです。
鹿たちがたくさんいる奈良公園までは歩いて10分ぐらいなので、子供の頃は友達と一緒に木に登ったり芝生を段ボールですべったりするような遊びをしに行きましたし、反対に、私の住んでいた団地まで数匹の鹿の群れがちょくちょく遠征に来ることもありました。

さて、その団地なんですが、小さいながらもちゃんとした花壇があって、それぞれの世帯が野菜を作ったり、色とりどりの花を植えたりして楽しんでいました。我が家はもっぱら花を育てていました。大事に種から育てていた植物が大きくなって、つぼみが現れて、パッと花開いたときの嬉しさといったら、、、その瞬間のために毎日水をやり雑草を抜いているのだと言っても過言ではありません。

あれは小学校1年生ぐらいの時だったと思います。4月の日差しの暖かい日でした。学校から帰ってきて花壇に寄ってみると、大好きなチューリップのつぼみが鮮やかに色付いているのに気がつきました。ついこの間まではぼんやりとした色だったので、まだまだだなぁと思っていたけれど、暖かい日が続いたおかげで、明日にも開きそうな様子です。
「今は閉じてるけど、明日目がさめたら、きっと開いてる!」その日の晩は頭の中に満開のチューリップ達を描きながら布団に入りました。

次の日の朝、目が覚めると真っ先に花壇へ飛び出しました。チューリップは確かにありました。ただ昨日と違うのは、つぼみだけが1つ残らず消えていたこと、、、。重しのなくなった茎が空に向かって元気良く伸びていました。
鹿のしわざだったそうです。パクッパクッと食いちぎる嬉しそうな鹿の様子を想像するたびにアホ!ボケ!カス!と心の中で叫びました。

このように地域に密着した動物「奈良の鹿」ですが、近所に住んでいる者にとってはあまりに身近すぎて、犬猫のような感じで接している動物です。実際、私が鹿寄せを最初から見たのはこの動画「奈良公園の鹿寄せ」(データ番号: momo061203cn01b)が初めてで、そうよなぁ、こういうのが他の土地の人からすると面白かったりするんやなぁと感心してしまいました。

暗くなった商店街でゴミをあさっている人がいると思ってよく見たら鹿だったり、学会の会場案内の張り紙が鹿に食べられてしまったりとエピソードには事欠かないので、その他の話はまたの機会に書くとしましょう。
佐藤路子(大阪市立自然史博外来研究員)
2007-02-02

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