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Pirouette ピルエット

ピルエット〈旋回〉
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コマ旋回
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ピルエットというのは,バレエやダンスにおいて,その場で1回転することを言うのだそうだ。

「ピルエット〈旋回〉」(データ番号: momo071114pp02b)を見ると,子供のビーリヤ(ボノボ)が,なるほどくるくるとよく廻っている。ピルエットの連続技である。ビーリヤというのは,チンパンジーに似ているがこれらは別の類人猿である。

ではそのチンパンジーの子供は,と見ると,やっぱりくるくる廻っている。「コマ旋回」(データ番号: momo060406pt02a)

ビーリヤ(ボノボ,ピグミーチンパンジーとも呼ばれる)とチンパンジーは,どちらも私たちヒトに極めて近い類人猿である。自然界の中では,ビーリヤ,チンパンジー,ヒトで集まって三角形を作っていると思ってもらえばいい。

この三角形の2つの頂点であるビーリヤとチンパンジーはくるくる廻る。ならば,残りの頂点であるヒトの子供はどうだろう。そこで保育園の庭を思い出してみるのだが,歓声と走り回る子供達は浮かんでくるが,ビーリヤやチンパンジーのようにくるくるくるくる廻っている姿はあんまり浮かんでこない。

映像をよく見ると,ビーリヤとチンパンジーの子供は手をついて,そこ支点にくるっくるっと廻っている。なるほど,彼らは,ヒトに比べて手が長いので,こんなふうに廻れるらしい。

手が短いヒトの子供は,残念ながらビーリヤやチンプのようにはうまく廻れない。しかし,じゃあヒトの子供が廻って遊ばないかというとそんなことはない。よく思い返してみると,ヒトの子供もやっぱり廻ることが好きなんじゃないかと思える。

うちの娘(4才)のことで恐縮だが,最近,姉や親を観客に「コンサート」をしたがるようになった。皆の注目の中で,うれしそうに歌って踊るのである。で,その「舞台」でやっぱり彼女はくるっ,くるっと何度も廻るのである。

人間のダンスや舞踊には,回転動作が必ずと言ってよいほど含まれている。私の故郷の石見神楽なども,それはそれはもうよく廻る。須佐之男命も坂田金時もくるくる廻る。どうして人間がこんなによく廻るのかと言えば,それはもう私達が,くるくる廻って遊ぶのが大好きな類人猿だから,なのだ。たぶん。

公園に行くと,廻るための遊具が結構有ることに気がつく。角運動量保存則を利用した類いのものなど,かなりハードだが,子供達は大好きである。遊具などなくても,子供達は廻りたがる。ほとんどの大人はせがむ子供の両手を持って,くるくる廻って遊んでやったことがあるはずだと思う。やはりヒトも廻って遊ぶのが好きなのである。

「遊び」についての深い論考を書いたカイヨワは,遊びを四つに分類した。その一つが「目眩遊び」である。文字通り「目眩」を楽しむ遊びであり,遊園地のジェットコースターなどその好例である。ある種のスポーツ,例えばスキーなどもその例だろう。

この「目眩遊び」はカイヨワの用語ではIlinx(イリンクス)というのだが,ギリシャ語で,渦巻きを意味するのだそうだ。ほらね。遊びにおける「目眩」の重要性について,ビーリヤやチンプは,カイヨワと話が合うに違いない。
藪田慎司(帝京科学大学アニマルサイエンス学科)
2007-11-30

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