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入れればいいってもんじゃない

イトヨの雄によるファンニングと巣の補修
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雄に求愛するイトヨの雌
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学生時代、カレーづくりに凝っていた。市販のカレールーは使わずに、市販のカレー粉あるいは自分で調合したスパイスに何かを足してカレーをつくるというもので、実験みたいで楽しいのだ。
 この趣味を始めるきっかけになったのは大学のそばのネパール料理店で食べたカレーだった。それまで、ちくわなどの変な具が時々混じる「おかんカレー(母が市販のルーで作ったカレー)」しか馴染みのなかった舌にはかなりの衝撃で、その味を家でも再現できないものかと思い立ったのである。ヨーグルト、レモン、ワイン、ジャム、、、おいしくなると聞けば何でも試してみた。でも、味はむしろどんどんかけ離れていくような感じがして、カレー好きの友達に相談してみた。返事は意外なものだった。「それ、いろいろ入れ過ぎと違う?あそこのネパール料理店のお兄さん、スパイス10種類も使ってないって言うてたで」
 それから何年か後、同じ研究室にインドから留学生が来て、色んな種類のカレーをごちそうになった。あの日の衝撃をまた感じた。彼ら曰く、「スパイスをシンプルにすると、それぞれの香りが際立つ」「具にふさわしいスパイスの組み合わせがある」とのこと。

 というわけで、ちょっとましなカレーを作れるようになったのだが、昔カレー作りで犯したような間違いを、私は映像を編集する際にまた繰り返していることに気が付いた。

 今年の春、イトヨの行動を本願清水イトヨの里(福井県大野市)で撮影させてもらう機会に恵まれたのだが、ガラス越しに繰り広げられるイトヨの行動には目を見張るものがあって、チャンスを逃すまいとビデオカメラを長々と回し続けていた。さて、編集する段階になってみると、これが悩ましいのである。どれもが意味をもつ動きに思えてくるし、イトヨの行動なんてめったに撮れるわけでもないし、映像を切り捨てるなんてもったいない、、、あれやこれやと盛り込んだらものすごく長いものになってしまった。
 この映像「イトヨの雄によるファンニングと巣の補修」(データ番号: momo050714ga02b)はイトヨのオスが巣の中の卵に新鮮な水を送り込むためにヒレをパタパタさせたあと、ちょっと乱れた巣を直しているのを撮ったものだが、この前には縄張りのパトロールをしていたり、このあと待ち構えていたメスに求愛されたり(水底に身をひそめていたメスが突然オスの前に浮き上がってお腹を見せつける)というシーン*も含まれていた。おもしろいのでそのまま登録しようかと思ったのだが、時間を置いて見直してみると、行動の始まりと終わりがわかりにくいわ、説明文が長くなるわ、ダウンロードも大変だわ、で使い勝手が非常に悪いことがわかった。
 欲張りすぎると、何が撮りたいのかや何を伝えたいのかが分からなくなってしまう。私は撮影に関しては全くの素人なので、見やすい分かりやすい使いやすい映像とはどんなものか勉強する必要性を感じている。

 今、このサイトではちょうど映像コンテストhttp://www.momo-p.com/contest2006/が開かれているので、撮影技術や編集技術も考慮した映像を応募してみると他の作品と差をつけられるかもしれない。
 たくさんのご応募を心よりお待ちしております。
 
*同じ行動はここにあります「雄に求愛するイトヨの雌」(データ番号: momo050711ga02b)
佐藤ミチコ(大阪自然史博外来研究員)
2005-09-16

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