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冬空に回すカメラ

草に潜むカマキリ
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ヨツハモガニのデコレーティング行動
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ニホンザルの馬飛び遊び
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ツミの補食(モグラ?)
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私が今住んでいる北陸地方は雪が多い。雪が降らなくても、晴れる日がない。ずっとどんよりしている。この天候のせいか、太平洋側で育った私の印象としては、冬になると北陸の人々の活動は急激に衰える。そんなわけで、博物館も急激に客足が落ちる。正直に書いてしまうと、2月の積雪時は入館者ゼロという日が存在する。ちょっと他では言えんよなあ、と思いつつ、先日近県の同業の方にこっそり尋ねたら、「うちもそうなんですよ」とのことだった。ちょっと安心(してる場合でもないが)。

さて、人々の活動が落ちるということは、動物にもあてはまるだろうか。データベースに登録されている映像ではどうだろう。動物の行動がカメラにおさめられる機会は、動物の活動に相関すると考えてよさそうだ(もっとも、ヒトが動物を観察しようという活動とも多いに関係しそうだが)。そこで、データベースに登録されている映像388点(2005年11月15日現在)の撮影日について、月別に映像点数を集計してみた(ブラウザのインターフェイスでは撮影日による検索ができないため、データの抽出は管理者である中田さんにお願いした。ありがとうございます)。すると、

1月・・・・12点
2月・・・・ 1点
3月・・・・16点
4月・・・・39点
5月・・・・56点
6月・・・・53点
7月・・・・32点
8月・・・・37点
9月・・・・39点
10月・・・37点
11月・・・ 9点
12月・・・ 3点
不明・・・・54点
(合計388点)

点数でみると、やはり春から夏の盛況ぶりにくらべ、冬はとても寂しい。2月にいたってはたったの1点である。1月はやや多いが、これはそのうち2点が南極のアデリーペンギン(南半球なので夏)、1点はパナマのシオマネキ(赤道直下)で、あとは後述する長野のニホンザルが5点頑張っているためだ。そんななかで、あえて冬にとらえられた動物の生きざまを見てみると・・・

「草に潜むカマキリ」(データ番号: momo031209un01b)
11月2日撮影(後半部分)。冬が近づいて草や木の葉が枯れはじめると、里山は一気に見通しがよくなる。身を隠すものがない環境は、多くの動物にとって危険きわまりない。カマキリもみごとに体色を秋冬モードを変えて、トンボはあえなく食べられてしまう。

「ヨツハモガニのデコレーティング行動」(データ番号: momo040111pq01b)
12月26日撮影。解説によると、 クモガニ科には海藻や海綿などを体表面に付着させる種が多いとのこと。それは寒さをしのぐためではなく、一説にはカモフラージュとされているらしい。冬は海を歩いてみても寂しい感じがするのだけど、探してみればこのような行動が真冬でも見られるわけである。

「ニホンザルの馬飛び遊び」(データ番号: momo050331mf04b)
1月11日撮影。ニホンザルを検索してみると、冬に撮影されたものの多くは寒そうに身を寄せ合っていたり、ぬくぬくと温泉に入っていたりするのだけど、これは違う。サルも子供は雪の中でも元気なようだ。雪が積もってもうちの博物館には子供は押しかけてくれないけど・・・

「ツミの補食(モグラ?)」(データ番号: momo051007un02b)
2月18日撮影。登録映像中で現在唯一、2月撮影というデータの映像。解説によれば、撮影者は家にいてふと外を眺めると、猛禽が食事の真っ最中であったという。ツミはおおむね留鳥なのだそうで、冬でも観察しやすい動物の代表は鳥かもしれない。

このように、数こそ少なけれ、興味深い行動は冬でも結構見られるようだ。みなさんも、たっぷり着込んでカメラを手にお出かけしてみませんか? ただし、今年は風邪に十分ご注意を。
石田 惣(福井市自然史博物館)
2005-11-18

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