ウニはくうとうまい。
なぜうまいかというと,それはアミノ酸に秘密があるらしい。「うまい」と「アミノ酸」ときけばすぐに「グルタミン酸」を思い出すが,実はアミノ酸にはそれぞれの味があって,大きく「旨味」「苦味」「甘味」に分けることができる。よくくわれるウニの生殖巣には「甘味」アミノ酸が多く遊離していて,それで甘くてうまいのだそうだ。
どのアミノ酸がどういう味かを調べてみると少し面白い。まず,苦いながらも少し甘いというアミノ酸が多いらしい。これは舌の味蕾の受容体のせいなのかな。それから,必須アミノ酸は苦めであり,非必須アミノ酸が甘めらしい。これはなんでだろう。一般に苦いものは摂取するべきではないことを意味するのだが,必須アミノ酸なのだから摂取しないわけにいかない。不思議だ。ほんのり甘い隠し味が決め手なのだろうか。良薬口に苦しってやつだ。ちがうか。
というわけでウニは甘くてうまいのだが,なかにはまずいウニもいて,それがガンガゼである。ガンガゼは長い刺をもつ美しい姿をしているが,まずいらしい。見た目に騙されるなという教訓である。で,このガンガゼの生殖巣の遊離アミノ酸組成を調べて,なんでガンガゼがまずいかを調べたひとがいるのだが,それによると,案の定,ガンガゼはムラサキウニやバフンウニ,チリウニなどと比べて甘味アミノ酸がやたら少なくて,苦味アミノ酸がやたら多いらしい。それでまずいのだそうな。ちなみにもっとも甘味アミノ酸が多いのはチリウニらしい。
この苦味アミノ酸は,どうやら浸透圧調節やストレス応答に関わっているらしい。つまり,塩分濃度などの環境の変化で遊離する量がかわるということだ。ということは,ガンガゼにストレスをかけたりかわいがったりすると苦味アミノ酸が増減して味がかわることになる。やっぱり手塩にかけて大事に育てると美味しくなるのかな。いやしかし,手塩にかけたら塩分濃度が高くなるからかえってまずくなるかもしれない。
というわけで,ウニの映像は,と探すと
「コシダカウニのデコレーティング行動」(データ番号: momo040201mg01b)しかない。棘皮動物全体でもこの映像とナマコ2件(
「オオイカリナマコの放精」(データ番号: momo010725sm01b)と
「オオイカリナマコの摂餌行動」(データ番号: momo030603sm01b))とウミユリ1件(
「ウミシダの腕の動き」(データ番号: momo080508cj01b))の計4件。ひとでなしということか。
森貴久(帝京科学大学)
2009-04-10