アイスクリームを食べながらふと思った。人間はどうしてアイスクリームやチョコレートのような甘くてクリーミーな食べ物が好きなんだろう? すぐに思いつく答は「糖と脂肪という良質なエネルギー源をおいしいと感じるようにヒトが進化したから」で、おそらく大きく間違ってはいないと思うけど、なぜ多くの洋菓子が甘さとクリーミーさ(脂肪のコク)両方の組み合わせでできているのか疑問が残る。あれこれ考えて思いついたのは、甘さと脂肪のコクの両方を持った食べ物が自然界に存在しないので、その組み合わせが超正常刺激として強くヒトを惹き付けるのではないか、ということだ。甘いものは自然界にもある(ハチミツとか)。脂肪のコクのある食べ物もある(ナッツなど)。甘さと酸っぱさの両方を持つものもある(果物)。しかし、甘くて脂肪のコクのある食べ物は人間の作ったもの以外では思いつかない。そうかー、それでチョコレートって食べても食べてもまだ食べたくなるのか、でもそれじゃメタボ一直線だ。
超正常刺激とは wikipedia によると「動物において、現実にはあり得ないのに、その動物に特定の行動を引き出す刺激」のこと(「現実に存在する刺激よりも強力に」を付け加えたほうがいいんじゃないかと思うが)。この実例が
「ハクガンの卵認識:模造卵による実験」(データ番号: momo060129ac01b) にある。本物の数倍はあろうかと思われる大きな卵まで一生懸命巣の中に入れようとするハクガンの映像だ。これほど大きさが違うと、本物の卵じゃないことに気がつきそうに思うのだが、本物じゃないとわかってはいるけれどクチバシが勝手に動く状態なのかもしれない。
このハクガンと同様に、現実の刺激と超正常刺激の違いを理性では見分けられるはずのヒトも、超正常刺激に惹き付けられることはよくある。冒頭に書いたチョコレートとか、村上隆の巨乳フィギュアとか、マスカラでありえないほど長く太く黒くされたまつげとか、モデルのウェスト必ず 58cm とか。そういう私もヒトオスの一人として、街角でつい超正常刺激のほうに目が釘付けにされることがよくある。本能は理性よりつよし、これではハクガンを笑えない。
ちなみに「超正常刺激」を Google で検索していて見つけたのだが、アンサイクロペディアでは超正常刺激の項目で「メイド萌え」や「巨乳萌え」が例として記述されていた。うーむ、これらをヒトオスにとっての超正常刺激だと思いついたのは私だけじゃなかったのか。
- お詫びと訂正 -
前回の私のコラム(4月18日付け「動物映像地理学」)で、間違って「ガラパゴス(チリ)の2件などがある」と書いてしまいましたが、ガラパゴス諸島はエクアドルの領土でした。失礼しました。イースター島と混同してしまっていたのでした。
井上 真(MOMO 運営ボランティア)
2008-06-27