世間はゴールデンウィークである。しかし私の勤務先である博物館というのは、世間の皆さんがお休みのときこそが書き入れ時である(博物館というと一番混むのは夏休みかと思っていたが、うちの博物館の入館者が多いのはゴールデンウィーク前後である)。ニュースでは「最大16連休、平均5.5日」などと言っているが、学芸員はそんなに休んではいられない。ちょっとは休みがあるものの、遠出をしようにも高速道路は渋滞しそう。ということで、MOMOスタッフとしてはMOMOの動画を見たり、MOMOに登録できるような動画を撮影したり、過去に撮影した動画を編集してMOMOに登録したりするしかあるまい。
ところで、最近登録された動画を見ると、どういうわけか哺乳類と鳥類ばかりである。40件中、それ以外の分類群を撮影したものは、ジムグリとヤマトシジミの2件だけしかない。これは無脊椎動物研究者からすると、ちょっと寂しい。ひょっとして、哺乳類と鳥類は体サイズが大きいから、撮影しやすくてよく撮影されているだけ?と思って調べてみると、919件のうち哺乳綱が228件、鳥綱が208件となっている。確かに多いけれども、全体からすると半分以下。最近の哺乳類・鳥類の多さは際だっている。
ほかの原因をつらつら考えてみるに、昆虫をはじめとする無脊椎動物は冬は冬眠したり、卵で越冬したりしていて、ほとんど活動していないからではないだろうか。ただ、越冬の動画は残念ながら見つけられなかった(それはそうだ、じっとしているだけの動物を動画で撮影してMOMOに登録しようとはなかなか思わないだろう)。
でも、もう春である。たくさんの生き物が活発に活動しているはずだ。ゴールデンウィーク前後に撮影された春らしい動画を紹介しよう。
「ツツジにやってきたトラマルハナバチ」(データ番号: momo070508un01b)
「アオスジアゲハの吸蜜」(データ番号: momo080510gs01b)
ただ、一つだけ気になることがある。先日「ミツバチが減少している」というニュースが流れたが、その後に、身の回りでもハチなどの訪花昆虫を今年はあまり見かけないという話を耳にするのだ。すわ、サイレント・スプリングか?MOMOの登録に昆虫が少ないのもそのせいか??
一方で、たまたまハチを見かけなかったからと言ってミツバチ減少のニュースと結びつけるのは安直だという意見もある。ぜひ、ゴールデンウィークは身の回りで生き物の動画を撮影してMOMOに登録し、「昆虫が減っているのでは」という不安を吹き飛ばしてほしい。
西 浩孝(豊橋市自然史博物館)
2009-05-01