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トビウオ計画

アオリイカ雄の体サイズ依存代替交接行動
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泳ぐヒゲハギ
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ハンドウイルカの同性愛行動 1
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泳ぐイシガメ
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泳ぐアカウミガメの子供
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私はカナヅチだ。そんな私にとって顔を水につけて手足をバチャバチャやるのはたいそうストレスなようで、高校生の頃など体育の授業で一時間水泳をやると、必ず次の休み時間にゲーッと吐いたりしていたと言う。どうでもいいが、私の通っていた高校には50メートル×25メートルの立派なプールがあって、それを誇りに思っていた体育の先生たちは水泳の授業に心血を注いでいた。で、何秒以内に50メートル泳げ、とか200メートル休み無しに泳ぎきれ、とか無理難題をふっかけてくる。そんな中で私は当然に毎回体育は赤点だったのだな。

で、カナヅチと言ってもまったく泳げないわけではなくて、50メートルくらいなら死にそうな思いでなんとかかんとか泳ぐ事が出来る。てな事を言うと、「50メートル泳げるなら、それを繰り返せば100メートルでも200メートルでも泳げるよ」と明るく教えてくれる人がいる。そんな人には「朝に紅顔ありて夕べに白骨となる」ということわざを送りたい。ちょっと違うけど。いや、でもそれで200メートルが泳げるようになると言うのなら、今日一日を死なずに乗りきる事が出来た人は不老不死になれると言うべきである。ほら?おかしいでしょう?

まあしかし、こんな詭弁を弄していても仕方ない。私だってホントは水の中を自由自在に泳いでみたいのだ。フジヤマのトビウオになってみたい。こんなときはあれだ、動物に学ぶのだ。リリエンタールやライト兄弟だって鳥を観察していたじゃないか。

残念な事に、2006年6月現在、データベースにトビウオの映像は登録されていない。しからば他の動物で代用しよう。何がよいか?いか?ということでイカの映像を見てみよう(←強引)。「アオリイカ雄の体サイズ依存代替交接行動」(データ番号: momo051121sl01b)では、イカがゆらゆらと泳いでいるところが見られるが、だいたい15-18秒当たりで下に位置する個体(オス)の目の下あたりに、体から突き出たパイプ状のものが開いたり閉じたりしているのがわかる。映像後半でも一匹がくるりと回転した後26秒-28秒と30-31秒当たりで、回転した個体(オス)の目の上に同じようなパイプ状のものが見える。これはいわゆる漏斗という器官で、イカはここから水を吹き出し、推進力にするのであるな。オオこれは何と言う生物の不思議である事か、だが、これじゃあ私の役には立たないじゃないか。まさか排尿しながら泳ぐわけにはいくまい?

。。。すみません。

次いこう次。やっぱりヒトと体の作りが大きく違う生物はダメだ。というわけで、脊椎動物。こんなのはどうだろう。「泳ぐヒゲハギ」(データ番号: momo050223cp01b)。なんとこの魚は前進後退自由自在。イカがジェット推進の飛行機ならば、こちらはヘリコプターである。バチャバチャやっているうちにすぐ隣のレーンに泳ぎ入ってしまう私にすれば、もうウットリとしか言いようがない。しかし、映像についている解説文には「魚の多くは主に尾びれを使って泳ぎますが、カワハギ科などフグ目の魚は背びれとしりびれとで主な推進力を作り出しており、この映像でも膜状の背びれとしりびれでヒラヒラと泳ぐ様子が観察できます」とある。ヒトには背びれもしりびれもないぞ。やっぱり役に立たない。とほほ。

気を取り直して次だ。背骨を共有しているだけではダメなのに違いない。やはりここは一つ哺乳類で。「ハンドウイルカの同性愛行動 1」(データ番号: momo010710tt03b)。うーんさすがはイルカ。この優雅な泳ぎ方こそ私の求めるもの。それに、この下半身を上下にくねらせる泳ぎ方は私にもマネできそうだ。なんせドルフィンキックと言うくらいで。。。はっ。ドルフィンキックと言うとバタフライ。件の私の通っていた高校では事もあろうにバタフライまでやらせていたのだが、私なんか息継ぎで上半身をガバッとあげた時に生じる抵抗で、泳ぐどころか後ろに進んでいたものだ。。。ダメだ。。。

発想を変えて陸上性の動物が泳いでいるところに学ぼうじゃないか。「泳ぐイシガメ」(データ番号: momo041025mj01b)。おっと、この映像にはピンと来るものがある。反対側の手と足を交互に動かして進むところが、四足動物としての私をして親近感を抱かせているに違いない。決して優雅とは言えない手足の運びだが、カメだけに堅実に前進するところも好もしい。時代はカメなのか?!よし、じゃあもっとカメの泳いでいる映像を見て勉強だ。

「泳ぐアカウミガメの子供」(データ番号: momo050312cc01b)。うむ、ウミガメの子供も同じような手足の動きだ。この泳ぎ方でも水の中で立派に生活できる事が証、、あれ?あれ?解説文には「ウミガメ類は、鳥がはばたくように前あしを動かして推進力を生み出し、後ろあしを舵として向きを変えるのに使っています。しかし生まれて間もない子供はあしをおとなのように上手に使うことができません」とある。この泳ぎかたはウミガメ本来の動きじゃなくって、祖先の行動パターンが幼体に現われているって事?個体発生は系統発生を繰り返す?

だとしたら、私だって個体発生を逆戻ししたら、つまり子供に戻る事が出来れば、泳げるようになるのかしら。そういえば、赤ん坊を水の中に放り込んだら、教えもしないのに勝手に泳いでいると言う。うーむ何とか時を遡りたい。あ、年を取ると子供に還るというじゃないか。だったら、私もあと何十年かすれば、あるいは。。
中田兼介(東京経済大)
2006-06-23

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