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夏休みの自由研究

ハチドリの闘争
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マメコガネの採餌
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先週のコラムに引き続き、博物館ネタをば。

この時期、博物館は自由研究絡みの質問が増えてくる。本当に生物が好きで、自分で試行錯誤したあげく、アドバイスを求めにやってくる稀少な例もあるけれど、残念ながら脱力するような例もたくさんある。
昔、ある場所で夏休みに開かれる標本同定会なるものに講師として参加した時などは、付き添いの家族が標本を出してきて「この名前がわからないんですけど」「ふんふん、そうですか」「ありがとうございました」全部付き添いが返事するのがざらだった。当の子供はというと廊下で遊んでいたり、うつろな目で横に座っていたりするだけ。なのに何でこんなに行列するほど繁盛していたのかというと、「標本を20種集めて名前を調べなさい」という課題を出すのが周囲の学校で流行っていたからだった。そら、目もうつろになるわな。面白くないもの。

では小学生時代の私は夏休みの自由研究にどういうことをしていたかというと、生きものを見るのと絵を描くのが好きだったので、毎日図鑑を見ながら、ナナフシとかカミキリムシとかトンボとか好きな昆虫の絵を描いていた。絵と言っても芸術性の高い絵ではなく、生物分類の記載論文のスケッチとかいったものに近かった。棘の大きさや角度、節の数もきっちり確認。本物そっくりに描けたときは嬉しかった。そして仕上げに絵の下にサイズや生態の情報を書き入れる。暑い日の昼下がり、ひんやりとした畳の上で腹這いになって、誰にも邪魔されず色鉛筆を動かすのは楽しかった。

とはいうものの、全ての宿題を毎日きっちりこなす出来のいい生徒でもなく、興味の持てない宿題はほったらかしで、あげく「暑くて勉強にならないから夏休みがあるのに、何で宿題が出るの?」と担任の先生に聞いたりして全く可愛くない小学生だった。アホなこと言うもんじゃないとたしなめられたような気もするけど、あんまりよく覚えていない。暑くて勉強にならないから夏休みがあるという前提自体がただの思い込みで、単なる屁理屈なのだけど、納得できる答えは大人になった今でも得られていない。

かくして、佐藤家では8月31日になると、宿題だョ!全員集合てな感じで、父は絵、母はドリル、姉は習字、私は読書感想文と、なぜか家族で手分けして私の宿題をやるというとんでもないことが行われていた。
さすがに中学校に入るとこの恒例行事はなくなってしまったけれど、宿題嫌いは続いていて、転校したのをいいことに読書感想文を中高で3回も使い回ししてしまった。その凡庸な使い回し作品が、高校の時なぜか国語の先生に「感想文コンクールに出すから、書き直しておいで」と言われてしまった。天罰が下ったのだろう。

話をもとに戻そう。
ほんと、集めるだけ、名前を調べるだけの自由研究は止めようよ。集める、名前を調べるにしても、どんな方法をつかって、どのように試行錯誤したかとかその過程を詳細にレポートするだけで、他の人の自由研究とは全く違ったものになると思うのに、何をやってるんだかなぁ。
反対に凝り過ぎ、お金かけ過ぎの自由研究もちらほらある。きっと親が張り切ってるんだろうなぁ。職業として研究してるわけじゃないし、過程が大切なんだから、大げさなことをする必要もない。

このサイトを使って自由研究の足掛かりにするというのは個人的にとてもいいアイディアだと思う。最近登録された画像を見ても、「ハチドリの闘争」(データ番号: momo070812ca01b)ウチの庭でも餌場を作ってやったら鳥が来るかな?どんな鳥がいつ頃来るかな?ケンカは起きるかな?とか「マメコガネの採餌」(データ番号: momo070725un02b)えっ、コガネムシって花食べるの?とかいくらでもネタは転がっている。他にも過去のコラムを読んでみると、この1つの映像でこんなに話題や疑問が膨らむのかとヒントになることがいっぱい詰まっている。「自由研究」のキーワードで検索にひっかかるテーマは誰かとバッティングするし、結果もあらかじめ分かっていて面白くない。もっと自由研究にこのサイトを活用してくれるといいなぁ。
これからも夏休みの宿題に君臨すると思われる自由研究、どうせやるんだったら、人がやってないテーマで楽しくやろうよ、ね。
佐藤路子(大阪市立自然史博物館外来研究員)
2007-08-24

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