ちょうど昨日のことなのだが,おめでたい話がとびこんできた.知合い−というかMOMOの運営スタッフの一人(一応ここでは伏せておく)−が結婚すると言うのだ.
ところで,めでたい動物と言えば何だろう.ぱっと思い浮かぶのは鶴.送られてきた結婚式の招待状にも,鶴の切手が使われていた.
まず,鶴はなぜツル呼ばれるようになったかでありますが,昔はツルとは言わず首長鳥と言ったんだそうですな.「あるとき老人が海を見ていると,首長鳥の雄がツーと飛んできて浜辺の松の枝にポイと止まった.あとから雌がルーッと飛んできて松の枝にポイと止まった」というのが,落語に出てくる物知り(知ったかぶり?)のご隠居の説.えー,本当のところは語源は諸説あってわからないそうで.
落語にツッコミを入れるのは野暮かもしれないが,この話にはちょっとおかしな点がある.ツルというのは基本的に湿原の鳥なので,松の枝に止まるというのは変だ.どうも,松などの木の上に巣を作るコウノトリと混同されているのではないかと思われる.
さて,MOMOには
「ツルの北帰行」(データ番号: momo060327fg01b)という映像がある.よく見ていると,最初はバラバラとした塊だった群れが,だんだんV字型が重なったような形になっていく.このV字型の編隊飛行は,ツルだけでなくガンやハクチョウなどでも見られる.実はこれの形,省エネになるのだそうだ.大型の鳥が飛ぶときには,翼の先端から後方に翼端流という気流が生じ,後ろを飛ぶ個体はその気流に乗ることによりエネルギーの消耗が少なくてすむという.ちなみに,先頭を飛ぶ個体は疲れるので,時々交代するらしい.
ところで,どうして鶴はおめでたいのだろうか.よく「鶴は千年,亀は万年」という.
しかし,野生のツルの寿命は20〜30年といったところらしい.あれれ,実は長寿じゃなかったのか…….
でも,もう一つのおめでたい理由として,とても夫婦仲がよいということがあげられる.一度配偶者を決めたら,同じ相手と一生添い遂げる.タンチョウが鳴き交わす様子をテレビなどでご覧になったことがあるのでは?あのようにコミュニケーションを取り合うというのも,夫婦仲の秘訣なのかもしれない.ということで,ツルにあやかって,お二人で末永くお幸せに〜
西 浩孝(京都大学大学院 理学研究科 動物学教室)
2007-01-19