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セグウェイに想う

メスアカミドリシジミ雄の縄張り闘争
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コサギの群舞
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集団で採餌するメジナ未成魚
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ペットボトルの蓋を開けるカラス(実験)
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カラスの「観察学習」と問題解決
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大学にセグウェイが来た。試乗会だということだ。もちろん個人用に買う人を探しに来ているのではなく、工学系の研究室の研究対象としてどうかと言うわけだ。もしかしたら都会ではすでにそこら中を走っているのかも知れないが、長崎でセグウェイに乗れるなんて貴重な機会だ!学生も誘って試乗に出かけた。

セグウェイは不思議な乗り物だった。車のようにアクセルやブレーキで進んだり止まったりするのではない。体を前に傾ければ進み、体を起こせば止まる。これは人が乗る台の傾きをセグウェイ自身が関知しているから可能になることだ。つまり台の傾きを関知し、それを直すために傾いている方向に車輪を回してバランスを取り戻そうとする。だから、もし人間が傾きを維持し続ければ、セグウェイはその方向に進み続けることになる。「進む」「止まる」という動作を、「バランスを取れ」という単純明快な規則を与えることで解決してしまっているわけだ。

生物においても、複雑な動きが単純な規則で説明できる場合がないだろうか。「メスアカミドリシジミ雄の縄張り闘争」(データ番号: momo050115cs01b)では、2匹のチョウが付かず離れずくるくると回り、まるで器用にダンスを舞っているように見えるのだが、これは相手個体に追いつこうとしているだけである。「捕まえたいなら回転をやめて待ちかまえていればいいじゃん」とも思うが、これはチョウのケンカであり、自分の身体能力の高さを相手に見せつけるためにはそんな狡猾なことはしない(はずだ)。「コサギの群舞」(データ番号: momo051210un01b)「集団で採餌するメジナ未成魚」(データ番号: momo040930gp01b)で見られるそれぞれの個体の動きは複雑で、とても群れ全体の動きをコンピューター内に再現することはできないように思えるが、各個体に対して、1、他の個体にぶつからない方向に動く、2、進行方向を同じにする、3、群れの中心方向に動く、という3つの命令を与えれば再現できるということだ。力業で押し進めるのではなく、押してダメなら引いてみろ、一歩退いて視点を変えろ、というような、とても重要なことを教えてくれているように感じる。

「ペットボトルの蓋を開けるカラス(実験)」(データ番号: momo070409cc02b)では、カラスがペットボトルのふたを開けるという、複雑で知的な行動をしているように見える。たしかに餌だけに気を取られて、ボトルに注意を払えない動物も多い中で、カラスの見せる好奇心、根気、器用さというのは驚きである。しかしカラスはほんとうにキャップのネジ構造を理解しているのだろうか。僕には「キャップをくわえて放す」という単純な行動を繰り返しているだけに見える。繰り返す中で、キャップがゆるみやすいボトルの向き、もしかしたらくちばしの動きなんかも学習し、それが結果的に「ペットボトルのキャップを開ける」という現代人ばりの行動を可能にしたのだ。

セグウェイに乗って、固かった頭がちょっと柔らかくなった気がした。でも「カラスの「観察学習」と問題解決」(データ番号: momo070409cc01b)はすごいな。こんなことまでできるんだな、カラスは。革新的な技術を生み出すのもすごいが、まねるのも効率が良いな。
繁宮悠介(長崎総合科学大学)
2007-10-12

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