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たなびく

プラナリアのふ化
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このデータベースには「もう一つの顔」というのがあって,その一つが「モ・ザ・イ・ク」という機能である。こいつをポチッとすると,画面いっぱいに,全所蔵映像からランダムに選ばれた98本(いま数えた)のサムネイルが表示される。その中から一つを選んでポチッとすると,その映像を見ることができ,shuffleというところを押すと,また別の98本がランダムに選ばれる。

さっきそうやって表示されたサムネイルを眺めていたら,何だかよく分からないのがあった。一見すると,何かの胞子から発芽しているところのようにも見える。

では,というのでポチッとしてみたら,それはプラナリアのふ化であった。ちょっとおどろいた。この映像は見逃していたな,と思って再生されるのを見ていたら,これが,とても美しくて,かわいらしい。真っ白で,淡くて,ひらひらというか,ふわふわというか。途中で,二つの黒い,小さな穴のような目がパッと現れて,こちらと目が合うのである。

ふわふわ,ひらひら,たなびく様子は,とてもかわいらしいのだけれど,同時にどこか,この世の者ではないようでもある。ああ,ちょっと一反木綿に似ている。一反木綿は,あの白くて薄っぺらい体で,空をたなびくように飛ぶのである。目も,二つの黒い穴だ。

空をたなびくように飛ぶといえば,むかし想像したケツカジリを思い出した。娘が保育園児で,風呂から出てもなかなかパンツをはかないもんだから,説得しようと思って考えたのである。誓って言うが,おしりかじり虫が流行るより,ずっと前の話である。6,7年前くらいか。おしりかじり虫は妖精だそうだが,ケツカジリは妖怪だと思う。

ケツカジリは,一見するとイタチかテンか,あるいはキツネようであるが,手足はなく,とても細く長い体をしている。後ろの方はスーッと細くなり,うっすらと消えていくように見える。色は白かうすい茶色である。それが,夜の空を,その細い体をたなびかせるように飛び回っているのである。それも結構な数がいるのだ。(でも,暗いので地上からは見えない。)お尻を出している子供がいると,そのうちの一匹が空から降りてくる。体が細いので屋根や壁の隙間をすり抜け,体をくねらせながら,部屋の隅を素早く移動し,一瞬の隙をついて,お尻めがけてかじりついてくるのである。イタチのようなキツネのような鋭い歯で。ああ怖い。(でも,血が出るほどではないらしい。)

そんなことを思いながら見ていた。プラナリアに歯がなくてよかった。

「プラナリアのふ化」(データ番号: momo060526un01b)
藪田慎司(帝京科学大学アニマルサイエンス学科)
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