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MOMOの節句の雛祭

ハシブトガラスのヒナの成長
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3月3日は桃の節句で草餅をくう日なのだが,今の暦では桃の開花だけでなく,蓬もまだちょと早い。旧暦の3月3日は今年は3月31日だから,ほんと(もうそもないが)はそのころが桃の節句ということになる。たしかにその頃なら一雨ごとに暖かくなっていったあとだから,清少納言のいうようにいとうららかなる日だと楽しそうだが,いまはまだ少し寒い。もっとも,そうはいってももうじき啓蟄だから,そろそろ虫たちがぞろぞろ出てくるはずである。

桃の節句は雛祭りだが,MOMOには雛の映像が5件あって,ジュウイチ(2件),キジバト,ハヤブサ,ハシブトガラスの雛をみることができる(カルガモの親子の映像もあるが,この幼鳥は雛というにはちょと成長し過ぎのような)。これらの映像を全部ならべるとMOMOの雛祭りになるのだが,今回は「ハシブトガラスのヒナの成長」(データ番号: momo051005cm01b)を観ることにしよう。

この映像は東京都渋谷区で撮影された,ハシブトガラスの雛が孵化してからの4週間の記録である。孵化したての,まだ目も開いてない羽毛も生えてない雛が,カラスの真似をして鳴くヒトの声に反応して必死にのびあがって口を開ける姿は,なんというか生への執着を感じさせる。このあと,孵化後9日目,13日目,20日目,27日目の状態が記録されているが,どの段階でもヒトの鳴きまねに反応して首をのばして口を開けている。9日目を過ぎると雛のほうで発声し始めるのだが,カラスらしい声になるにはだいぶかかることもこの映像は記録している。学術的にも貴重な記録といえるだろう。

孵化後1日目でカラスの鳴きまねに反応したということは,カラスは生得的にカラスの声を知っていて餌をねだる行動が解発されることを思わせるが,じつは卵のなかにいるときにカラスの声を聞いているだろうから,カラスの声を生得的に知っているかどうかははっきりしない。しかし,孵化直後に首をのばすなら,孵化直前に「カーカー」とか卵に向かって鳴いたら,なかの雛がおもわず首をのばして,殻にぶつかってごちんとか音したりしないかしらん。したらおもしろいけどしないかなやっぱり。

もうひとつ不思議に思うのは,この雛たちは鳴き声を聞いて餌をねだっているが,親は鳴き声を発したら口にくわえてる餌は落ちるのではなかろうか。落ちないのかな。落ちるとしたら親は給餌のまえに鳴くことはしないはずで,雛も鳴き声に反応する必要はなさそうだが,落とさないようにうまく鳴くんだろうか。あるいは雛は鳴き声が聞こえたら餌はそのへんに落ちてくると思うのだろうか。棚からぼたもち二階から目薬みたいなものか。それはそれでいいのか。

ぼたもちとえいえば桃の節句が過ぎて虫がでてくると,すぐにぼたもちをくうお彼岸である。暑さ寒さも彼岸までだから,お彼岸が来たらもうこっちのもんである。次の節句は端午の節句で,このときには粽をくう。じつは桃の節句と端午の節句は同じ曜日である。ちょといい話ではないだろうか。
森貴久(帝京科学大学)
2006-03-03

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