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雛祭り

バンの給餌
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二月はあっという間に過ぎる。なにせ28日までしかない。しかし、あっという間と言えば一月もあっという間だ。毎年一月末になると「もう1年の12分の1が過ぎたのか」とつぶやく。そして三月もあっという間に過ぎて、すぐに新年度だ。近年の地球は、気候の温暖化だけでなく、時間の流れも高速化したにちがいない。

三月になるとすぐに雛祭りだ。旧正月、節分、バレンタインと続いてきたこのコラムのテーマとしてぴったりだろう(途中にダーウィンを挟みつつ)。雛祭りの思い出と言えば、小学校の給食に毎年出てきた菱餅の形をしたゼリーと、家に飾られた雛飾りだ。僕には姉が二人いるので、家には大きな雛飾りがあった。ひんやりとした畳の部屋に、赤い毛氈(もうせん)が敷かれた雛飾りは存在感があった。雛壇を登りたい衝動、人形や牛車で遊びたい衝動を抑え、ただ眺めて楽しむというのは、非常に贅沢なことだ。年中行事と言えば、クリスマスのように明るく楽しいものや、端午の節句のように柏餅やちまきを食べることを期待しているのに、それらとはどうも違う、静かで厳かで、今思うと最も日本的な行事のように思う。

こういう年中行事について最近思うことは、家ごとに行い方がかなり違うということだ。そもそも雛祭りは、女の子のいない家では行わないだろうし、また女の子がいても、雛飾りを飾らない家だってあるだろう(僕には娘がいるが、まだ1才ということもあり、狭い家ということもあり、とりあえず雛飾りの購入を見送っている)。雛祭りの時期には、スーパーにも甘酒が並んでいるが、僕が育った家では毎年欠かさず飲んだという記憶が無く、僕の中では雛祭りと甘酒のつながりはほとんど無い。他の行事はどうだったかと言うと、節分には豆まきをするが恵方巻きは聞いたこともなかった。お盆にはキュウリやナスで牛や馬を作って、「ぼんさん、ぼんさん〜」と歌いながら藁を家の前で燃やしたりしたが、長崎のようにお墓で花火をするようなことは想像もできなかった。子供の頃は、このような年中行事はどの家も同じように行っているものだと思っていたが、子の親になって、そういう行事開催の決定権が、ある程度は親に委ねられているのだと知った。あるいは祖父母が孫のために、という形で年中行事が行われることもあると分かった(お宮参りや初節句など、自分のときの記憶が無い行事は特に)。家々の文化は、結構簡単に作ることができ、そしてたった一代で消えてしまう可能性も持っている。僕も雛祭りには、娘達に桃カステラを買うようになるだろう。

というわけで、このデータベースで「雛」「ヒナ」を検索すると、鳥の雛の映像がたくさん見つかる。その中から「バンの給餌」(データ番号: momo060805un01b)をピックアップしたい。この映像の前半部で、親が水中から餌を採り子供にやっているが、餌をやるだけでなく、餌の採り方を子供に見せているように見える。見せることで、子供が真似をして餌を採るようになるのを促しているように見える。そうだとすると、ここでも親から子へと伝えられていくものがあると言えるだろう。

しかしまだまだ泳ぎがおぼつかない水鳥の雛たち。水の流れが急な場所では、雛が流されることもあるだろう。はい、これがホントの、流し雛。・・・おあとがよろしいようで。

http://ja.wikipedia.org/wiki/流し雛
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E6%B5%81%E3%81%97%E9%9B%9B/
繁宮悠介(長崎総合科学大学)
2009-02-27

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