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人間も動物だったのね

授乳
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ゼニガタアザラシの授乳(陸上)
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イヌの授乳
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エアコンで気温を調節した部屋の中、コンピュータに向かって仕事をし、車に乗って誰かが作った食材を買いに行く、、、現代人にとって、日常生活の中で自分が動物であるという事を意識する機会はほとんどない。しかし、動物から乖離してしまった自分を哺乳類という動物に引き戻してくれる行為がある。それは「授乳」である。
自分の体から白い液体が滴り落ち、それを食料とする生き物がいる。その液体は血液から作り出されるのにもかかわらず、色も違うしほのかな甘みもある。自分の意識が届かないところで体が機能する不思議な感覚。授乳期まっただなかの子供を持つ私には、それが他の動物のものであっても気になって仕方がない。つい自分との相違点を探してしまう。

まずはチンパンジー。「授乳」(データ番号: momo050404pt02a)
母乳は受注生産性なので、子供が吸っている限りは出てくるそうだ(少なくともヒトに関して言えば)。この映像の子供は母乳をもらっているのにしては随分大きく見えるが、母乳はまだちゃんと出ているのかもしれない。
もし出ていないのにしても、「おっぱいを吸う」という行為が子供にとって精神安定剤になっている可能性もあるだろう。先日サル山の観察会でニホンザルの子供(親よりひと回り小さいぐらい)が、母乳が出ていないにもかかわらず、母親のおっぱいを吸う光景を見た。そこらへんをうろうろしていたのが、急に母親に駆け寄り、ほんの2、3秒吸って、また遊びに行ってしまった。ヒトでいえば、「赤ちゃんが1人で機嫌良く遊んでいたので、お母さんが部屋を離れたら、子供が探しに来た」という状況に似ているかと思ったのだが、どうだろうか?

次はアザラシ。「ゼニガタアザラシの授乳(陸上)」(データ番号: momo041207pv02b)
赤ちゃんが母乳を飲んでいる姿はなんとも愛らしいのだけれど、授乳のため一晩に4回もたたき起こされたりすると、ゼニガタアザラシの様に、寝転がっている状態の私のところにやって来て、勝手に自分で探し当てて飲んでくれればどんなに楽かと思う。
ところで説明によると、アザラシの母乳は脂肪分45%。このまま泡立てたら十分ホイップクリームになりそうな脂肪分の高さである。水中では体温が奪われやすいため、一般に海獣類の皮下脂肪層はとても厚くなっている。それをつくるにはこれだけの高い脂肪分が必要なのだろう。

最後にイヌ。「イヌの授乳」(データ番号: momo031025cf02b)
自分の子を観察していると、授乳中も盛んに手足を動かしたり、指を広げたりすぼめたり、全身で飲んでいる印象を受ける。イヌの子もその点は同じで、脚を動かしたり、しっぽを振ったりとせわしない。前脚でおっぱいを規則正しい周期で押しているのは興味深い。こうすると母乳が多く出てくるのだろうか。

あと1年もすると乳離れかと思うと、毎回の授乳がとても貴重に見えてくる。息子よ、お前を時に動物として観察するお母さんを許せ。
佐藤ミチコ(大阪自然史博外来研究員)
2006-02-03

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