視る・想うRSS

[データベースホーム]

ウニの味

コシダカウニのデコレーティング行動
↑click to play

オオイカリナマコの放精
↑click to play

オオイカリナマコの摂餌行動
↑click to play

ウミシダの腕の動き
↑click to play

ウニはくうとうまい。

なぜうまいかというと,それはアミノ酸に秘密があるらしい。「うまい」と「アミノ酸」ときけばすぐに「グルタミン酸」を思い出すが,実はアミノ酸にはそれぞれの味があって,大きく「旨味」「苦味」「甘味」に分けることができる。よくくわれるウニの生殖巣には「甘味」アミノ酸が多く遊離していて,それで甘くてうまいのだそうだ。

どのアミノ酸がどういう味かを調べてみると少し面白い。まず,苦いながらも少し甘いというアミノ酸が多いらしい。これは舌の味蕾の受容体のせいなのかな。それから,必須アミノ酸は苦めであり,非必須アミノ酸が甘めらしい。これはなんでだろう。一般に苦いものは摂取するべきではないことを意味するのだが,必須アミノ酸なのだから摂取しないわけにいかない。不思議だ。ほんのり甘い隠し味が決め手なのだろうか。良薬口に苦しってやつだ。ちがうか。

というわけでウニは甘くてうまいのだが,なかにはまずいウニもいて,それがガンガゼである。ガンガゼは長い刺をもつ美しい姿をしているが,まずいらしい。見た目に騙されるなという教訓である。で,このガンガゼの生殖巣の遊離アミノ酸組成を調べて,なんでガンガゼがまずいかを調べたひとがいるのだが,それによると,案の定,ガンガゼはムラサキウニやバフンウニ,チリウニなどと比べて甘味アミノ酸がやたら少なくて,苦味アミノ酸がやたら多いらしい。それでまずいのだそうな。ちなみにもっとも甘味アミノ酸が多いのはチリウニらしい。

この苦味アミノ酸は,どうやら浸透圧調節やストレス応答に関わっているらしい。つまり,塩分濃度などの環境の変化で遊離する量がかわるということだ。ということは,ガンガゼにストレスをかけたりかわいがったりすると苦味アミノ酸が増減して味がかわることになる。やっぱり手塩にかけて大事に育てると美味しくなるのかな。いやしかし,手塩にかけたら塩分濃度が高くなるからかえってまずくなるかもしれない。

というわけで,ウニの映像は,と探すと「コシダカウニのデコレーティング行動」(データ番号: momo040201mg01b)しかない。棘皮動物全体でもこの映像とナマコ2件(「オオイカリナマコの放精」(データ番号: momo010725sm01b)「オオイカリナマコの摂餌行動」(データ番号: momo030603sm01b))とウミユリ1件(「ウミシダの腕の動き」(データ番号: momo080508cj01b))の計4件。ひとでなしということか。
森貴久(帝京科学大学)
2009-04-10

バックナンバー

2008-02-29〜2008-06-06
2008-02-22
雪の中の生き物
西 浩孝(十日町市立「森の学校」キョロロ)
2008-02-15
卵の行動学
原村隆司(京都大学大学院動物行動学研究室)
2008-02-08
動物非行動学
井上 真(MOMO 運営ボランティア)
2008-02-01
森貴久(帝京科学大学)
2008-01-25
動物は遊ぶか
藪田慎司(帝京科学大学アニマルサイエンス学科)
2008-01-18
「ありがとう」のサイン
中田兼介(東京経済大)
2008-01-11
学習指導要領改訂とMOMO
広瀬祐司(大阪府立茨木高等学校)
2008-01-04
技術革新
石田 惣(大阪市立自然史博物館)
2007-12-28
蛸を愛した人
佐藤路子(大阪市自然史博外来研究員)
2007-12-21
真似はスゴイ
繁宮悠介(長崎総合科学大学)
2007-12-14
思わず応援したくなる
西 浩孝(十日町市立「森の学校」キョロロ)
2007-12-06
ピルエットと二足歩行
藪田慎司(帝京科学大学アニマルサイエンス学科)
2007-11-30
Pirouette ピルエット
藪田慎司(帝京科学大学アニマルサイエンス学科)
2007-11-23
急がば走れ
森貴久(帝京科学大学)
2007-11-16
ナメクジの味
中田兼介(東京経済大)
2007-08-05〜2007-11-09