カワウの子殺し
(11.4MB, 00:00:59)撮影日:2008/01/28
撮影場所:愛知県, 美浜町, 鵜の山
井上裕紀子, 依田 憲
(Yukiko Inoue, Ken Yoda)
2009/11/20登録
種類:カワウ,
Phalacrocorax carbo
キーワード:子殺し 攻撃 闘争 同種内
動物界 >脊索動物門 >鳥綱 >カツオドリ目 >ウ科 >ウ属 >
もしくは動物界 >脊索動物門 >鳥綱 >ペリカン目 >ウ科 >Phalacrocorax属 >
以下は、この映像を用いたカワウの同種内攻撃に関する論文の要旨の日本語訳です。
カワウにおける巣の侵入と雛への攻撃:なぜ成鳥は同種雛へ攻撃するか?
井上裕紀子、依田憲、藤井英紀、黒木博文、新妻靖章 Journal of Ethology 印刷中
doi:10.1007/s10164-009-0192-6
同種の子を殺す動物の行動は、子殺しと呼ばれ、様々な分類群で観察される。子殺しの機能は、消費、性選択、親による操作、資源をめぐる競争に分けられている。2008年1月から8月まで、5つのコロニーにおいて、カワウの子殺し行動を観察するとともに、繁殖成績を調査した。同種非血縁個体による巣への侵入および子への攻撃が18例観察され、そのうち2例はビデオ録画された。どちらの攻撃とも、侵入者はディスプレイをしながら何度も雛の首をつつき、雛は首を巣の下へ向け、静止していた。観察データより、侵入・攻撃個体は雛を餌として消費しなかったので、消費仮説は支持されなかった。侵入・攻撃個体は親鳥でなかったこと、その巣の母親と侵入・攻撃個体がつがいにならなかったことから、親による操作仮説、性選択仮説では説明できなかった。一方で、産卵前の成鳥と育雛期の成鳥がコロニー内で同時的に存在する日数が増加すると、巣ののっとり、侵入および攻撃が増加していた。これより、異なる繁殖サイクルを持つ個体の間で、巣をめぐる競争があることが示唆された。