ニールセンクモヒメバチ幼虫に操作されて網を強化するギンメッキゴミグモ
(19.3MB, 00:01:39)撮影日:2013/06/10
撮影場所:神戸大学
髙須賀圭三
(Keizo Takasuka)
2013/06/18登録
種類:ニールセンクモヒメバチ,
Reclinervellus nielseni
キーワード:操作網 寄主操作 円網 クモヒメバチ
動物界 >節足動物門 >昆虫綱 >膜翅目 >ヒメバチ科 >Reclinervellus >
ニールセンクモヒメバチは、蛹になる直前に寄主であるギンメッキゴミグモの行動を操作して本来の円網を単純で丈夫な操作網に張り替えさせます。
今回の観察では、18:40頃にクモは円網の横糸(捕虫用スパイラル)の回収を始め、外枠に枠糸を何度も渡して強化します。その後、円網の中心(こしき)付近にランダムに糸を渡して中心部の安定化を図り、最後にそのランダム糸に繊維状の糸を噴きかけることで網を顕在化させます。網操作が終わると、クモはこしきに鎮座して静止し、ハチはクモを食い切って殺し、安定したこしき上でまゆを作って蛹化します。
操作開始から約5時間で操作網は完成しました。映像は50倍速で、クモの動きがないところはトリミングしています。
この操作網の単純な形と繊維状糸は、寄生されていない健全なギンメッキゴミグモが脱皮の前に張る休息網と酷似し、実際休息網を張る過程でも操作網の時と全く同じ噴きかけ行動が確認されていることから、ニールセンクモヒメバチはギンメッキゴミグモが本来持つ休息網の造網行動を引き起こしていると考えられます。
Takasuka, K., T. Yasui, T. Ishigami, k. Nakata, R. Matsumoto, K. Ikeda & K. Maeto (2015) Host manipulation by an ichneumonid spider-ectoparasitoid that takes advantage of preprogrammed web-building behaviours for pupal protection. Journal of Experimental Biology 218: 2326-2332.